“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(2):
消えぬ“もやもや”、現場の本音はなぜ出ない? (1/4)
エンジニアとしての在り方や、現場の“言われっ放し感”に悩む技術部の須藤。同期に相談しても、“もやもや”とした感情は募るばかりだ。企画部課長の佐伯は、そんな須藤に、価値を作るとは何か、自分たちを取り巻く組織の風土とは何かを説いていく。
[世古雅人,EE Times Japan]
消えぬ“もやもや感”
前回、課長の森田に対して自社を「腐った会社」と言い放った須藤だが、この発言は須藤の本心ではなかったはずだ。これまで幾度となく、開発のやり方について上司に具申してきたにもかかわらず、腰を上げない上司に対する怒りに加え、ホンネが出てこない開発メン バーに対する怒りまで溜め込んだ結果、思わず口にしてしまった言葉だ――。少なくとも須藤自身は、そう信じ込みたいと思っている。そうでないと、腐った会 社に身を置く自分とは、一体何なんだ…と自分自身の存在意義を見失ってしまいそうだからだ。自宅には仕事のことを持ち込まないと決めている須藤は、会社で あった出来事を、育児真っただ中の妻に話すことはない。それもあって、吹っ切れない思いばかりが須藤の頭の中を駆け巡っていた――。
翌日は週末前の金曜日ということもあり、須藤はこの“もやもや感”をかき消すべく、同期の2人に声をかけ、居酒屋で談義した。
2人とも須藤のいる神奈川県藤沢市の湘南工場ではなく、東京本社に在籍している。日々、顔を合わせない環境だからこそ、たまに会ったときに、ばか話から真面目な話までできる関係なのかなと須藤自身は考えている。
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