いまどきエンジニアの育て方(第19回)
「キャリアは自分で切り開く」に踊らされない
長く仕事をする上で、キャリアデザインというのはとても重 要です。キャリアデザインには、社内異動の他、より高みを目指すための、あるいはキャリアチェンジのための転職も含まれるでしょう。しかし、転職雑誌やサ イトで目立つ「キャリアは自分で切り開け!」という言葉に踊らされてはいけません。そもそもキャリアデザインというのは、それほど簡単なものではないから です。まずは、筆者が提示する「3つの質問」について答えを考えてみてください。
[世古雅人,
カレンコンサルティング]
カレンコンサルティング]
キャリアは自分で切り開く?
大手企業では、教育・研修などの人材育成プランがしっかりと作られているので、新卒・若手エンジニアが自分のキャリアについて悩んだとしても、解 決方法は身近にいくらでもあることでしょう。自分でキャリアを切り開く必要はなく、会社が敷いたキャリアデザインに沿って行けば、結果的に会社が求める人 材になるはずです。ところが、キャリアデザインは業界によって異なります。例えば、エンジニアと一言で言っても、読者の皆さんのようなエレクトロニクス系エンジニア と、Webやスマートフォンのアプリケーションを開発するエンジニアでは、キャリアデザインについてずいぶんと違いがあります。
後者は、20代、30代前半で若くして成功したWeb系エンジニアや起業家がやたらと目立ち、ごく一部のトップエンジニアたちが“Geek(ギー ク)”としてあがめられる世界です。エンジニア向けの転職サイトやマスメディアの記事も良くないのでしょうが、このWeb系若手エンジニアのサクセスス トーリーをドラマチックに脚色して書き立てます。「会社から学ぶことは何もなかった!」「稼げるフリーのエンジニアを目指せ!」「キャリアは自分で切り開け!」というような見出しが目を引きます。
これらの記事を読んだエレクトロニクス系エンジニアが、「じゃあ、自分も……」とまねをして、Webサービスやスマートフォンのアプリ開発に進む こともアリかもしれませんが、それは本業の枠ではありません。「キャリアは自分で切り開け!」という記事が目に入ったら、エレクトロニクス系エンジニアの 皆さんは読み飛ばしてしまいましょう。そもそも、キャリアデザインなど、そう簡単にできるものではないからです。
キャリアデザインを考える3つの質問
さて、筆者は開発部門の若手エンジニアに対して、かれこれ15年ほど前から下記の3つの質問を投げかけることを行っています。Q1:できることは何ですか?
Q2:やるべきことは何ですか?
Q3:やりたいことは何ですか?
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