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業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第22回:経営理念とブランド・ビルディング(前編)
2016年12月05日
株式会社カレンコンサルティング 世古雅人
今回と次回の2回にわたって、ブランドについて考えていきます。
「なぜ、ブランド?」「ブランドって組織風土と関係するの?」と思われるかもしれませんが、読み進めていくうちに、ブランド構築(ブランド・ビルディング)ということが、社員の行動や価値判断基準に影響を与え、ひいては組織風土に強く影響を与えるものという理解が深まることでしょう。
■ 前回のおさらい(経営理念と組織風土)
軽く、前回のおさらいです。経営理念が組織に浸透しないと嘆く経営者が多いということからはじまり、あれこれと施策に取り組むものの、具体的に社員の行動変革がなかなか見られないなど、やりがちな施策とうまくいかない理由を示しています。まとめとしては以下の通りですが、特に太字の部分はとても重要な原理原則でもあります。
「組織文化(組織風土)」は、社員へ新しいパラダイムや価値観を与えます。
組織風土そのものが、企業のパラダイムであり価値観です。経営理念が、組織を構成する社員一人ひとりのパラダイムと価値観に影響を与えるものでなければ、組織には絶対に浸透・定着はしません。「経営理念と組織風土を一緒に考え、経営理念は新しいパラダイムと価値観を社員に与える。その結果、組織風土として醸成される」と理解することが必要――と、このように書きました。さらに、小手先の方法論やツールの活用に走っても意味がないとも述べました。
ここでもう一度、経営理念について考えてみましょう。
■ 経営理念から戦略の実行まで
●図1 経営理念から戦略の実行
図1をご覧ください。経営理念から戦略の実行までをピラミッド構造で示しています。(1)経営理念がないと、(2)ビジョンはぶれて、(3)戦略は絵に描いた餅になる、(4)計画もつぶれ、(5)骨折り損のくたびれもうけ......と、経営理念から戦略の実行までを対比して示しています。「そんなことはいわれなくともわかっている」ことでしょうが、もう少しお付き合いください。
さて、ここで「(1)経営理念がないと」という意味は、経営理念が存在しないということではなく、組織そのものに浸透していない......すなわち、社員に何も企業のパラダイムや価値観を与えるべき経営理念になっていないという意味で考えてみましょう。つまり、社員には価値判断基準すらないことになるので、社員の行動はバラバラで、極端なことをいえば、「何をしでかすかわからない」。基準がないということは、「ぶれて当たり前」の結果になります。
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