2016年12月10日土曜日

【月刊総務オンライン】『業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方』-「第22回:経営理念とブランド・ビルディング(前編)」



コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第22回:経営理念とブランド・ビルディング(前編)
2016年12月05日

第20回から組織風土改革を「経営者の視点」でお伝えし、前回(第21回)は、経営理念と組織風土の関係について述べました。


 今回と次回の2回にわたって、ブランドについて考えていきます。
 「なぜ、ブランド?」「ブランドって組織風土と関係するの?」と思われるかもしれませんが、読み進めていくうちに、ブランド構築(ブランド・ビルディング)ということが、社員の行動や価値判断基準に影響を与え、ひいては組織風土に強く影響を与えるものという理解が深まることでしょう。

■ 前回のおさらい(経営理念と組織風土)
 軽く、前回のおさらいです。経営理念が組織に浸透しないと嘆く経営者が多いということからはじまり、あれこれと施策に取り組むものの、具体的に社員の行動変革がなかなか見られないなど、やりがちな施策とうまくいかない理由を示しています。まとめとしては以下の通りですが、特に太字の部分はとても重要な原理原則でもあります。
 「組織文化(組織風土)」は、社員へ新しいパラダイムや価値観を与えます
 組織風土そのものが、企業のパラダイムであり価値観です。経営理念が、組織を構成する社員一人ひとりのパラダイムと価値観に影響を与えるものでなければ、組織には絶対に浸透・定着はしません。「経営理念と組織風土を一緒に考え、経営理念は新しいパラダイムと価値観を社員に与える。その結果、組織風土として醸成される」と理解することが必要――と、このように書きました。さらに、小手先の方法論やツールの活用に走っても意味がないとも述べました。
 ここでもう一度、経営理念について考えてみましょう。

■ 経営理念から戦略の実行まで
●図1 経営理念から戦略の実行
第22回_図1.png  図1をご覧ください。経営理念から戦略の実行までをピラミッド構造で示しています。
 (1)経営理念がないと、(2)ビジョンはぶれて、(3)戦略は絵に描いた餅になる、(4)計画もつぶれ、(5)骨折り損のくたびれもうけ......と、経営理念から戦略の実行までを対比して示しています。「そんなことはいわれなくともわかっている」ことでしょうが、もう少しお付き合いください。
 さて、ここで「(1)経営理念がないと」という意味は、経営理念が存在しないということではなく、組織そのものに浸透していない......すなわち、社員に何も企業のパラダイムや価値観を与えるべき経営理念になっていないという意味で考えてみましょう。つまり、社員には価値判断基準すらないことになるので、社員の行動はバラバラで、極端なことをいえば、「何をしでかすかわからない」。基準がないということは、「ぶれて当たり前」の結果になります。

続きはこちらから ⇒ http://www.g-soumu.com/column/2016/12/soshiki22.php

【アイティメディア】"EE Times Japan" 『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』 第7話「450人が去った会社――改革の本番はむしろこれから」

“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(7):

 450人が去った会社――改革の本番はむしろこれか

湘南エレクトロニクスでは、ついに希望退職の日を迎えた。会社を去ったのは最終的に450人。だが、「社内改革」という意味ではむしろこれからの方が本番だった。会社再建に向けてどう青写真を描くべきか……。悩む須藤に、追い打ちをかけるように一報が入る――。
 
「“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日」バックナンバー

これまでのお話


映像機器関連の開発、販売を手掛ける湘南エレクトロニクス(湘エレ)。ある朝、同社が社運をかけて開発した最新のデジタルビデオカメラについて顧客から1本のクレームが入る。そのクレームが引き金となり、ついには全社員の4分の1に当たる500人を削減するという経営刷新計画が始まった。湘エレの中堅エンジニア須藤は、容赦なく始まったこの計画の波に翻ろうされながらも、会社を何とか変えようと、1人立ち上がる。そして、自分と同じ志を持っていると思われる“仲間”を集め、自社再建に向けてスタートを切ったのだが……。



本連載の人物相関図(クリックで拡大)

そして450人が会社を去っていった

湘エレ(湘南エレクトロニクス)の経営層が経営刷新計画を打ち出して3カ月、希望退職の期日を迎えた。500人の応募対象者に対し、最終的に450人余りが手を挙げ、11月末日をもって会社を去った。
 退職金の上増し分は勤続年数に比例しているため、早期退職に手を挙げた社員は、年齢の高いベテラン勢が多かった。その中には須藤が新人のころに、あれこれと面倒を見てくれた製造現場のベテランたちも多く含まれていた。「お前ら開発がいいものを設計すれば、後は俺たち製造が最高のものに仕上げてやる」「いいか、ちょっとこれを見てみろ。図面だけでモノができると思うな。製造のプロセスを頭にたたき込んで設計しろ!」……振り返ればたくさん怒られながらも、現場からは山ほど学ばせてもらった。お世話になった人たちがいなくなることは須藤たちにとってはつらいことだった。辞めていったベテラン社員も、定年まで勤めるつもりでいたに違いない。

続きはこちらから ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1611/28/news034.html
 

【ITMedia:@ITエンジニアライフ】「プロセスコンサルティング」のススメ! - 問題発見と問題解決のプロセス (4):「ごちゃ混ぜ注意!...現象・問題・原因」

 
「人と組織」という切り口で、経営と現場の課題解決についてカレンコンサルティングが分かりやすくお伝えしていきます。

問題発見と問題解決のプロセス (4):「ごちゃ混ぜ注意!...現象・問題・原因」

『問題発見と問題解決のプロセス』の第4回です。
前回(第3回) 「それって問題ですか?」、現場系業務改善で見られることの多いアホコン(アホなコンサルタント)に登場いただき、問題ではないことに対し、解決策を導き出すことの無駄や無意味さについて述べた。今回は、問題をいくつかに切り分けて考えてみよう。

 

「問題を書いて!」と言ったのに...ごちゃ混ぜになるのは?

職場や改善活動の場において、「問題だと思うことを付箋紙に書いてください」とかやりませんか? 「1枚の付箋紙に1つの問題ですからね~」と。。。第3回の図2では、書き手によって、「問題の書き方(表記のブレ)」があるので、似たようなことを言っていても、原因はどれも異なり、これらの解決策も違ってくるという話をした。
さて、表記のブレがあったとしてもだ――「問題を書いて!」と言ったにもかかわらず、図1のようなことはないだろうか?
図1 「問題を書いて!」と言ったのに...161121-1.png
人によって、現象を書いてみたり、問題だと言い切る人。原因かもしれないと思わせぶりなことを書く人、自信満々に解決できるはずと書く人......等々、あなたが「問題を書いて!」と言った側ならば、「ちゃんと人の話を聞いているのかなぁ」と首をかしげることもあるでしょう。
ただし、これはある意味、仕方ないと思うこともあるって知っておくといいかも。なぜなら、日常的に「現象」と「問題」については、特に、意識することなく言葉として使っていることが多いからだ。特に、現象・問題・原因の3つについては、定義をきちんとあらかじめ伝えておかないと、「ん?」と思う付箋紙だらけになる。

続きはこちらから ⇒ http://el.jibun.atmarkit.co.jp/carren/2016/11/_4.html

 

【特集】シリーズ業務改善③『業務改善にふさわしい業務フローの書き方、考え方』 第3回「問題意識を身に付け、業務フローを業務改善の材料に」


業務可視化Note
業務可視化Note

第3回「問題意識を身に付け、業務フローを業務改善の材料に」

問題意識とは ~問題意識の高い方、低い方~

株式会社カレンコンサルティング 取締役 渡邊 清香 氏
株式会社カレンコンサルティング 取締役 渡邊 清香 氏

はじめに、問題意識について述べます。
時代の変化が激しい今日は、常に向上心を持ち、日々改善に取り組んでいかないと取り残されてしまいます。多くの企業で、発生した問題を解決するために“改善活動”が展開されています。また、人材採用では問題意識を持った人材が重宝されています。
しかし、「問題意識を持つように」と言われ、皆さんはすぐに問題意識というものを持つことはできますか。「それができたら、苦労をしない」、「問題意識を持つためには何をしたらいいのだろうか…」と思う方もいることでしょう。
問題意識とは、次のような視点を持つことで高めることができます。
問題意識を高めることができる要素
(1) 現状に常に不満を持つ(向上心)
(2) 現場を観察する癖を持つ(注意力)
(3) 仕事に対する熱意を持つ(使命感)
(4) 他にもっとうまいやり方はないか考える(好奇心)
(5) 常識・暗黙ルールへの疑問
(6) 問題とは何かを常に考えている
(7) 失敗を二度と起こさない(再発防止) 等
以上は、代表的なものですが、これらを日頃から意識していることで、問題意識を高め、身に付けることができるようになります。
では、問題意識を持てない理由は何でしょうか。

続きはこちらより ⇒ https://kashika.biz/carren-kaizen-03-03/

2016年10月26日水曜日

【アイティメディア】"EE Times Japan" 『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』 第6話「エバ機不正の黒幕」

“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(6): 

エバ機不正の黒幕

須藤たちが手探り状態の中、湘南エレクトロニクスでは希望退職の受付が始まった。一方で、一連の発端となったエバ機不正について、黒幕の一端が明らかになる――。
 
 「“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日」バックナンバー

これまでのお話

映像機器関連の開発、販売を手掛ける湘南エレクトロニクス(湘エレ)。ある朝、同社が社運をかけて開発した最新のデジタルビデオカメラについて顧客から1本のクレームが入る。そのクレームが引き金となり、ついには全社員の4分の1に当たる500人を削減するという経営刷新計画が始まった。湘エレの中堅エンジニア須藤は、容赦なく始まったこの計画の波に翻ろうされながらも、会社を何とか変えようと、1人立ち上がる。そして、自分と同じ志を持っていると思われる“仲間”を集め、自社再建に向けてスタートを切ったのだが……。


容赦なく始まった希望退職受付

湘南エレクトロニクス(以下、湘エレ)の社内では、経営刷新計画の一番の目玉でもある500人の希望退職の受付を開始していた。先日、須藤からのメールの呼びかけに応じてくれた人事課長の三井も、中高年層の社員向けの再就職支援(アウトプレースメント)策を作成するなど、何かと忙しいようだが、須藤は、三井の表情からやるせなさを感じていた。

 希望退職が告げられて間もないころは、社内のあちこちで経営批判が起き、職場が荒れたものだが、今はそれも徐々に収まりつつある。

 以前の湘エレの社員特性は、真面目なんだけど、どこか覇気のない感じ……そんなふうに須藤は思っていた。技術部のエンジニアにしても、課長の森田をはじめ、本社の営業部に無理難題を言われ続けても何一つ文句を言わない“いい子ちゃん”だった。いち早く希望退職に手を挙げた社員の何割かは、残っている有給休暇の消化を開始する、転職活動を開始するなど、オフィスで目にする社員は明らかに少なくなっていた。

 
 
マスコミが湘エレを取り上げることも少なくなり、以前の日常が戻りつつある。だが、社員が減ったなぁと感じる場面が増え、あれだけ忙しかった開発課も、経営刷新計画の開始とともに、誰もが定時退社するのが当たり前になった。以前なら、“仕事帰りのちょっと一杯”で同僚を誘う様子も見られたが、今では皆、定時退社すると誰もがよそよそしく会社を後にし、帰路につく。希望退職によって社員が500人減る日が、もうすぐそこまで迫っているのだ。

 何人の社員が希望退職に手を挙げるか分からない。須藤たち30代半ばの社員は、就職氷河期を乗り越えてきた世代だ。つらかった就職活動はトラウマのようになっていて、今、会社を辞めれば、またあのつらい就活をしなくてはならないのか、という暗たんたる気持ちになる。それ故、すんなりと手が挙がるとは思えない。

 湘エレで“そつなく過ごし”、定年を迎える人生設計をしていた人もいただろう。若手ならともかく、40代50代の再就職は相当厳しいということも聞いている。「何が何でも辞めない」と、会社にしがみつく社員もたくさんいるだろうが、それを自分は責めることができるだろうか?…と須藤は考えていた。

続きはこちらより →  http://eetimes.jp/ee/articles/1610/25/news068.html

2016年10月25日火曜日

【月刊総務オンライン】『業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方』-「第21回:経営者のための経営理念と組織風土の深い関係」

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第21回:経営者のための経営理念と組織風土の深い関係
2016年10月24日

前回(第20回)の予告通り、今回より数回にわたり、組織風土改革を「経営者の視点」を加えながら、皆さんと一緒に考えていきます。

■「経営理念」とは?
経営理念とは、経営書であれば必ずどこかに書かれているもので、おおよそ以下のような内容です。
「経営理念とは経営に対する普遍的な信念、価値観である。また、企業使命や組織の根本的存在理由や意義、経営目的、判断基準を示すものである」と。


図1 経営理念の定義(一般論)

第21回_図1.png
一般に、社員にとって、経営理念は自分が何のために働いているのか、この会社は将来的にどのように成長していくのか、どのような会社になっていくのかを判断をするときの基準を示す、重要なものです。経営理念がないと、社員のベクトルの向きが合わなくなってくることはもちろん、会社の存在意義や会社の将来性の喪失等が起こってしまいます。、一般的な経営理念の定義はこのようなものが多いでしょう。
会社によっては、「社是」「社訓」としているところもあり、表現・呼び方はさまざまです。
また、企業の価値観や経営者の志・信条などが文言として掲げられているところも少なくありません。

■ 経営理念が組織に浸透していないと嘆く経営者たち
今回、考えてみたいことは、「経営理念が組織に浸透しない」という悩みを抱える経営者が少なくないということです。経営者たるもの、自社の社員には同じ方向を向いていてほしいでしょうし、組織としての求心力も望むことは極めて自然なことです。
企業によっては、
 (1)朝礼で経営理念を唱和する
 (2)経営理念が書かれた社員手帳やハンドブックを肌身離さず持たせる
 (3)社員研修で徹底させる
 (4)経営理念を作る、見直しに応じて人事評価制度も見直す
など、あの手この手で経営理念を組織に浸透させるために策を講じても、一向に浸透している兆しが見えない、具体的には社員の行動に何ら変化が見られないということもあり、はて......どうしたものか?......と、経営者は嘆くのです。
そう、前述した(1)-(4)のようなことをいくら繰り返したところで、経営理念が組織に浸透するわけではないということに、経営者は気づかなければなりません。

続きはこちらから → http://www.g-soumu.com/column/2016/10/soshiki21.php

2016年10月21日金曜日

【ITMedia:@ITエンジニアライフ】「プロセスコンサルティング」のススメ! - 問題発見と問題解決のプロセス (3):「それって問題ですか?」

 
「人と組織」という切り口で、経営と現場の課題解決についてカレンコンサルティングが分かりやすくお伝えしていきます。

問題発見と問題解決のプロセス (3):「それって問題ですか?」

数回に分けて皆さんにお伝えしている『問題発見と問題解決のプロセス』の第3回です。
「第2回:やめようモグラ叩き、目指せ深海魚!」では、浅はかな考えではなく(モグラ叩き=対処療法)、深く原因を考えよう(深海魚を目指す=根本的解決)ということを述べた。今回は「問題の定義」をきちんと行わないと、どうでもいいことの問題解決を考える無駄・無意味さと、定義を誤ると原因として考えるべきポイントがまったく異なるということを知ろう。

筆者がダメ出しをしたアホコン(アホなコンサルタント)

「第1回:思考力ゼロ人材の生産」において、「新入社員が数時間で100個の問題発見と問題解決を行った」と得意気に語るカイゼンコンサルタント A氏の話をした。出てきた解決策が「頭を使わなくても解決できるような代物ばかりだったこと」と、それを"ヨシ"とするA氏のやり方が、考えることができない人材を育てていると感じたからだ。また、「指導」や「教える(おおよそたいした内容ではない)」ということは、常に「答えを教えている」ことに他ならず、自ら「学ぶ」という大切なことの障壁となるので、これを筆者は「思考力ゼロ人材の生産」と述べた。

このようなコンサルタントのことを、筆者は「アホコン(アホなコンサルタント)」と呼んでいる。5SやTPS(Toyota Production System:トヨタ生産方式)などはの改善に取り組む製造業においては、アホコン比率が高い。

何年か前に、先のカイゼンコンサルタント:アホコンA氏とは別人だが、同様のコンサルティングをしているB氏に思いっきりダメ出しをしたことがある。そのアホコンB氏は筆者に対して、「この会社は僕が10年"指導"をしていて、今期も"指導"することになった」と、誇らしげに語ったのだ。"指導"という筆者の大嫌いな言葉を使ったことも気に障ったが、筆者はこう言い返した。「10年も11年もコンサルをしているなんてずいぶんと長いですね。でも、言っちゃなんですけど、こんなに長期間にわたりコンサルティングを必要とすることがおかしいですね? その理由は2つ。1つはクライアントが思いっきり出来が悪いこと。もう1つは、あなたの指導方法が間違っているから人が育たないからだ。後者が真の理由だ」と。

どんなに出来が悪くとも、10年以上指導されていれば人や組織も成長するはずだ。いつまでもコンサルティングを必要とするとは考えにくい。したがって、筆者は2つ目の「指導方法が間違っている」ということが結論だ。誇らしげに言うべきものではなく、「指導のやり方がヘタクソだから、いつまで経ってもクライアントが独り立ちできない」と自らのアホさを暴露しているようなものだ。アホコンB氏も、さすがに筆者のダメ出しには腹が立ったようだが、ダメなものはダメだ。ちなみに、B氏は筆者よりかなり年上だ。アホコンのA氏もB氏も、なぜ、クライアントが独り立ちできるようにしないのだろうか? 「もうコンサルティングは必要ないです」とクライアントから早く言われるようにしなければならないと筆者は考えている。

「仕事が忙しいんです!」って問題?

さて、前述したアホコンB氏。そこで実際に現場から出てきた問題を見て、「え??」となったことを図1に示す。
図1 問題でないことを問題としてしまう誤り
161020-1.png問題の部分に「仕事が忙しい」「ロッカーが遠い」と書かれていた。これを現場の社員は「問題だ!」と言う。それも社歴の長い社員が、問題だと決めつけて疑わないところが正直、気持ち悪い。第2回の"モグラ叩き"と同様、図1のケースにおいては、解決策として「仕事が忙しい ⇒ 社員を増やす or 納期を遅らせる」「ロッカーが遠い ⇒ ロッカーを移動する」などという、「真面目に考えたのか?」というような解決策が羅列される。

既にこの状態で「おかしなこと」になっているので、ここでコンサルタントは「ストップ」をかけなければならない。

続きはこちらから ⇒ http://el.jibun.atmarkit.co.jp/carren/2016/10/_3.html

2016年10月20日木曜日

【特集】シリーズ業務改善③ 『業務改善にふさわしい業務フローの書き方、考え方』 第2回「業務改善を進めるための見える化」


業務可視化Note
 

第2回「業務改善を進めるための見える化」

何を「見える化」するのか

株式会社カレンコンサルティング 取締役 渡邊 清香 氏
株式会社カレンコンサルティング 取締役 渡邊 清香 氏

業務フローは業務改善を進めていく過程で重要なコミュニケーションツールの一つです。業務改善を進めるあたり、「見える化」ははじめに行います。このステップが上手にできている業務改善とそうでない業務改善とでは、結果が大きく変わってきます。
そもそも、普段見えていないものとはなんでしょうか。下図をご覧ください。これは業務に限定せずに、企業の中で見えない問題を示したものです。

図1:見えない問題と「見える化」するもの
図1:見えない問題と「見える化」するもの

普段、見えていないものは、図1の左側にある「状況・情報」、「思い・知恵」、「経営」、「業務」の4つに大きく分類することができます。その一つひとつに対して、「見える化」が必要となってきます。
「問題の見える化」は全体に関わります。また、そのほとんどが、「ムリ・ムラ・ムダ」に関するマイナス情報です。たとえば、次のような事項が挙げられます。
  • 予定に対する遅れや過不足
  • 在庫切れ/過剰
  • 設備の停止/異常
  • 不良品の発生
  • お客様からの重大なクレーム
  • コストアップ
  • 現場における事故
これらの事項は、例えば製造業においてはトヨタ自動車の「アンドン」による異常表示などがよく知られています。

続きはこちらより ⇒ https://kashika.biz/carren-kaizen-03-02/

2016年9月29日木曜日

【アイティメディア】"EE Times Japan" 『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』 第5話「会社を変えたい――思いを込めた1通のメール」は本日公開

“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(5): 

会社を変えたい――思いを込めた1通のメール

社長の日比野に直談判した須藤は早速、行動を起こす。とにかく会社を何とかしたい。自分と同じように考えている“仲間”を集めて、この逆境を乗り越えたい――。その思いだけを胸に、須藤は、恐らくは自分と同じように感じているだろう“仲間の候補”たちに1通のメールを送ったのだった。

社長の思いも同じなのか

社長の日比野と直談判した須藤は、今回の経営刷新計画は社長の本意でないと感じていた。同時に、「社員がその気にならない会社に未来はない。真剣に会社の未来を考える人間がどれだけいるか。経営者だけでどうにかできるものではない」という日比野の言葉の意味を考えていた。
 これまで、営業部は山口課長を筆頭に、「顧客のニーズを全て満たすことが開発の仕事だ」の一点張りで、エンジニアの創意工夫など一切頭にない無理難題を技術部に突き付けてきた。開発費、開発工数が大幅に削減される中、この無理な要求をうのみにして、まともに言い返せない技術部のメンバーや、言われっぱなしの状況が、須藤はずっと気に入らなかった。製品開発の在り方、価値について何ら関心を示してこなかったこの連中が、今では会社や経営者に対して、あからさまに不満をあらわにしている。
 もしかすると、社長の日比野はこうした変化に気づいていて、このような社員を育ててしまった社風やマネジメントにいち早く問題意識を持っていたのかもしれない……と、東京本社から湘南工場に戻る電車の中で、須藤は考えていた。

須藤が送った1通のメール

須藤に対し、「純粋に好きなことを続けられることっていいよな」と言った日比野。今、この状況になって、自分の好きなことは何だろうとあらためて考えてみると、やはり、「映画好きが高じてプロ向け映像機器メーカーである湘エレに入り、開発した製品が撮影に使われて、素晴らしい映画ができること」。それ以外にはない気がする。
 好きなことや趣味の延長線上で仕事ができるのは、とても幸せなことかもしれない。当社の多くの社員はなぜ、湘エレに勤めているのだろう? つまらないことでも生活のため、割り切っているんだろうか。
画像はイメージです
日比野と直談判をした週末、家で子供の遊び相手をしながらも、須藤の頭の中は会社のことでいっぱいだった。
 あくる日、須藤は何人かに宛てて以下のようなメールを書いた。送り先は、同期もいるが、部門も年齢、立場もまちまちだ。物事をハッキリ言う須藤には、あからさまに敵意をむき出しにする人も少なくないが、屈託がなくいつも全体のことを考えている須藤に好感を持っている社員も要所要所には、いる。その彼らに向けたファースト・メッセージでもあった。

 続きはこちらから ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1609/29/news023.html

2016年9月28日水曜日

【月刊総務オンライン】『業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方』-「第20回:再開!組織風土改革」



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コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方

第20回:再開!組織風土改革

2016年09月23日

株式会社カレンコンサルティングの世古です。
本コラムは2013年2月の第19回を最後に、およそ3年半中断していましたが、このたび再開しますので、あらためてよろしくお願いいたします。

■ あらためて本コラムの主旨について
元々、本コラムの主旨としては、企業や組織の風土改革を淡々と語るのではなく、企業経営という観点で、風土改革そのものが企業にとって意味があるということに重点を置いています。
つまり、風土改革で社内のコミュニケーションが良くなった、セクショナリズムを感じにくくなったなど、従来、組織風土改革によってもたらされる効果については、そのほとんどが「何らかのコミュニケーションの改善」に帰結していることへの問題提起です。
もしも、皆さんが企業の一社員であれば、職場のコミュニケーションが良くなることに対して、ノーという理由はないでしょう。コミュニケーションが悪いよりも良いに越したことはないのですから。
しかし、皆さんが経営者となれば話は別です。経営者は"効率"以上に"効果"を重視するだけでなく、その責任も問われます。ここでいう"効果"とは、会社の業績です。具体的には、売上、利益をはじめ、信頼や顧客満足をはじめとする「企業価値」全般です。
経営者であれば、「職場のコミュニケーションが良くなった」......「それで、どうなるの?」という結果や効果――すなわち、職場のコミュニケーション改善が、企業の業績に何かしらのプラス効果を生まなければ意味がないのです。

コミュニケーションがとれている、セクショナリズムがない......といった企業でも、業績が悪く、賃金カットや希望退職を繰り返す、最悪は会社がつぶれる、では元も子もないでしょう。組織風土改革に取り組んでも、会社がこうなってしまっては目も当てられません。これが本コラムタイトルに「業績に効果が出る」と付いている理由です。
したがって、本コラムでは第19回までは主に「現場の視点」で業務改善や改革に触れながら、ソフト改革(組織風土改革)だけではなく、ハード改革(仕組み、プロセス等)を述べてきました(第13回参照)が、今回(第20回)からは、新たに「経営者の視点」を加えてお伝えしていきます。
その前に、新しい話も入れながら、少しおさらいをしてみましょう。

■ 後を絶たない企業不祥事と注目される組織風土・企業体質
大手企業の不祥事が後を絶ちません。粉飾決算など株主や投資家に不利益をもたらすものだけでなく、自動車メーカーに見られた排ガスや燃費の不正問題もこの1年間で目立ちました。
これは顧客や消費者の期待や信頼を大きく裏切る行為であり、必然的に「今度、ここのメーカーのものは買わない」と消費者離れを起こす、もっとも大きな原因となりかねません。
さて、このような企業不祥事が明るみに出ると必ず耳に入る言葉があります。そう......企業風土・組織風土・企業体質・企業文化などです。具体的にどんな場面でこれら風土や体質をイメージするでしょうか? 図1をご覧ください。

図1 組織風土・企業体質をイメージする場面
soshiki20-ph1.png
・製品の重大なクレームやリコールがあるにも関わらず隠蔽した
・粉飾決算、偽装事件などの企業不祥事
・「あの会社はブラック企業だ!」


などなど、おおよそ企業の良いイメージとはかけ離れた場面で耳にすることが多いのではないでしょうか?


続きはこちらより ⇒ http://www.g-soumu.com/column/2016/09/soshiki20.php

【ITMedia:@ITエンジニアライフ】「プロセスコンサルティング」のススメ! - 問題発見と問題解決のプロセス (2):「やめようモグラ叩き、目指せ深海魚!」


「人と組織」という切り口で、経営と現場の課題解決についてカレンコンサルティングが分かりやすくお伝えしていきます。

問題発見と問題解決のプロセス (2):「やめようモグラ叩き、目指せ深海魚!」

「第1回:思考力ゼロ人材の生産」では、双方向ではない一方的な「教える・教わる」の関係が長期化すると、「思考力ゼロ人材」を大量生産することになる。その結果、いつまで経っても問題解決力が高くならないと述べた。今回はこの続きだが、第1回をサラッと読んで、図を見ていただいてから、今回を読んでいただき、なるほど...となれば幸いだ。

■意味のない問題解決

これはまず、図を見てもらおう。上の図は第1回の2つ目のものと一緒だ。ここでは問題を2つ挙げている。
1つは「現場からの問合せが後を絶たない」で、2つ目が「時間がない」というものだ。これだけでは、どんな場面で問題が発生しているのかはあまりイメージできないが、例えば、1つ目の問題では、「開発の仕事であれば、製造部門から図面についての問合せが多い」と考えるかもしれない。サービス部門であれば、また違うことをイメージするだろう。
さて、2つ目はどうだろうか? あまりにも漠然としているが、皆さんの職場でも、「時間がない」ということは、よく耳にするのではないだろうか? 仕事だけでなく、頼まれごとを断るときに実に便利な言葉だ。実務の場面においては、業務過多(負荷が大きい)による人手不足をイメージすることが多いだろう。
160923-1.pngさて、ここで問題解決の解決策を、それぞれ、3個と2個を示している。
「一見するとまともな解決策」だと思ったら困りものだ。しかし、製造現場だけでなく、本社部門や間接部門などの問題解決ではこういう解決策が堂々と出てくる。それに対して、周りは誰も疑わないという気持ち悪いことがよく起きる



続きはこちらより ⇒ http://el.jibun.atmarkit.co.jp/carren/2016/09/_2.html

【特集】シリーズ業務改善③ 『業務改善にふさわしい業務フローの書き方、考え方』スタート

株式会社サン・プラニング・システムズの"業務可視化Note"にて、【特集】シリーズ業務改善③ 『業務改善にふさわしい業務フローの書き方、考え方』の連載が始まりました。
著者は当社の渡邊清香です。第1回は「皆がハマる業務棚卸の落とし穴」と題して書いています。
ぜひ、ご覧ください。

https://kashika.biz/carren-kaizen-03-01/

ダウンロード開始 『現場が主体的に始める業務改善』 ダイジェスト版

当社も可視化・改善ツールとして使用している「iGrafx」の株式会社サン・プラニング・システムズ にて連載していたコラム:『現場が主体的に始める業務改善』がダイジェスト版として、資料がダウンロードできるようになりました。

https://kashika.biz/download/sdl-car-kaizen-01/…

【ITMedia エンジニアライフ】「プロセスコンサルティング」のススメ! - 問題発見と問題解決のプロセス (1):「思考力ゼロ人材の生産」

3年ぶりに再開しました。
「人と組織」という切り口で、経営と現場の課題解決についてカレンコンサルティングが分かりやすくお伝えしていきます。

問題発見と問題解決のプロセス (1):「思考力ゼロ人材の生産」

カレンコンサルティングの世古です。ほぼ3年ぶりとなりますが、あらためてコラムを再開しますので、よろしくお願いいたします。
今回より、数回に分けて、「問題発見と問題解決のプロセス」について書きます。コラム中断のあった3年の間に、国や行政のプロジェクトで地方製造業の事業創出・雇用創造に2年半かかわってきました。今も継続して製造業関連の仕事をしているところもあります。その間、現場において、「こんなやり方をいつまでやっているんだ?」という問題解決や人材育成の場面に遭遇してきました。正直、これは自分にとって、ちょっとしたカルチャーショックでした。

■あり得ん...新入社員が現場の問題を100個解決した!?

あるメーカーでの出来事。なんでも、製造現場のカイゼン系の研修において、付箋紙と模造紙を使って現場の問題解決をしたとのこと。参加者の半数以上が今年入社したばかりの新入社員で、まだわずか入社2か月目。
カイゼンコンサルタントのA氏。「いやぁ、新入社員でもたいしたものですねぇ。何しろ、数時間で問題が100個出て、その解決策まで出てきたんですからね。すぐに問題解決に取り組み、既にいくつも解決しましたよ!」と、研修の効果を得意気に話す姿に正直、呆れてしまった。
新入社員が研修をやることに文句はないし、何か研修で得るものがあれば、それはそれでよいことだ。入社2か月目の新入社員が短時間で100個の問題を発見して、それを解決したことに対して疑問が多い。常識的に考えて、「実務をほとんど知らない新入社員が解決できる問題を放置していた企業が問題である」とも言えなくもない。しかしそれ以上に、出てきた解決策が「頭を使わなくても解決できるような代物ばかりだったこと」と、それを"ヨシ"とするA氏のやり方が、考えることができない人材を育てていると感じたからだ。

続きはこちらより ⇒ http://el.jibun.atmarkit.co.jp/carren/2016/09/_1.html

2016年8月24日水曜日

【アイティメディア】"EE Times Japan" 『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』 第4話「たった1人の決意」


“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(4):

 たった1人の決意

全社員の4分の1を削減するという経営刷新改革が発表され、湘南エレクトロニクスには激震が走る。本音は出さずとも総じて真面目だった社員たちは会社に背を向け始め、職場は目に見えて荒れてくる。そんな中、社長に直談判しに行った須藤が決意したこととは――。

[世古雅人EE Times Japan]
「“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日」バックナンバー


 

これまで(第1回~第3回)のあらすじ

株式会社湘南エレクトロニクス(以下、湘エレ)は、2016年に創業60年を迎える映像機器メーカーだ。社員数は2000人を超える。東京に本社 を構え、湘南の海に近い神奈川県藤沢市には工場を所有している。技術開発課の主任である須藤は、これまでいくつかの開発プロジェクトでリーダーを務め、知 識、実力ともに部門内では一目置かれているエンジニアだ。小さい時からの映画好きがこうじ、湘エレに入社を決めた。思ったことをハッキリと言うので、課長 の森田にはよく思われていない。昨今、開発部門に対してコスト削減や短納期開発などの要求が厳しく、営業部門からは「顧客の言う通りに製品を作れ」と言わ れ、製品開発そのもののあり方や、製品価値について考えるようになっていた。社員は総じておとなしく、理不尽な要求に対して何も言わない。ホンネが出てこ ない組織に対して須藤は「腐った会社」と言い放つ。
 須藤は、同期の仲間(営業部 末田、知的財産部 荒木)や、理解ある上司(中村部長、企画部 佐伯課長)らと話をしているうちに、ホンネが出てこない組織風土や企業体質への疑問や、エンジニアのモチベーションへの関心が、自分の中で高まりつつある のを感じていた。「何とかしなければいけない」という危機感を持っていたさなかに、湘エレに会社の存続が問われる大きな事件が発生する。
 湘エレが満を持して開発した最新デジタルビデオカメラ「DVH-4KR」が、ハリウッドのCG Cinema社(以下、CG社)で8台、評価(エバ)が行われていた。しかし、半数がダイナミックレンジ不足で要求スペックを満たしていなかった。その原 因はどうやら開発課の須藤たちが指定した“特注購入仕様書”のデバイス(A-Dコンバーター)ではなく、既存製品でも用いられている“共同購入仕様書”で 手配され、部品搭載されてしまったかららしい。
 なぜ、このようなことになったのかは、まだハッキリとしていない。さらに、衝撃試験の試験成績書においては、あたかもMILスペックにパスしたよ うな数値が記載されており、CG社からは湘エレのコンペチタ(競合企業)に該当するプレジションイメージング社(以下、プレ社)を出し抜くために試験成績 書のデータ改ざんを行ったと思われている。CG社はカンカンで、契約解除も辞さないらしい。
 悪いことに、CG社が行うエバは業界そのものが注目をしていたため、今回の1件(ダイナミックレンジ不足、試験成績書改ざん)が、どこからかSNSにリークされ、マスメディアの「湘エレたたき」が始まってしまったのである。
 「企業不祥事」とまで書かれた湘エレは、海外・国内の顧客離れが急速に拡大していった。そして、社員誰もが予測しなかった経営刷新計画が発表された。

500人の早期退職

  1. 役員:△20%、管理職:△15%、一般社員:△10%の給与カットを今月支給の給与から適用
  2. 原則、残業ゼロ(連日定時退社)
  3. 3カ月後の末日をもって、500人の希望退職者を募る
これが経営刷新計画の骨子だ。給与カットや残業ゼロは予測していたものの、社員が一様に驚いたのは、3つ目の希望退職であった。それも、全社員数 の4分の1に相当する大規模なもので、湘エレがこれまでに経験したことがないものだった。希望退職はTVや新聞で話には聞くものの、まさか、自分の会社で 行われるとは思いもよらなかった。その他、経営刷新計画の最後のほうには、マスコミへの対応として、「マスコミからのインタビューへは“ノーコメント”を 貫くように」と、小さな文字で指示が書かれていた。

続きはこちらより ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1608/23/news020.html

2016年7月22日金曜日

【アイティメディア】"EE Times Japan" 『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』 (第3回) ~「始まった負の連鎖」

“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(3)

 始まった負の連鎖

ある朝、顧客から入った1本のクレーム。湘南エレクトロニクスが満を持して開発した製品が、顧客の要求スペックを満たしていないという内容だった。その後、調査が進むにつれて、さまざまな問題が明らかになり、社員は“犯人探し”と“自己防衛”に走り始める――。

[世古雅人EE Times Japan]
「“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日」バックナンバー
本連載の人物相関図(クリックで拡大)

顧客要求スペックを満たしていない!? 崩壊の始まり

ある月曜日の朝。いつもなら朝礼で部長の話が始まるところが、今日に限って須藤が在籍する技術部の中村部長の姿が見えない。なんでも緊急会議との ことで、部長以上は皆、本社に呼び出されているらしい。部長に代わり、各課の課長がそれぞれ連絡事項などを機械的に告げている。須藤は森田の話を淡々と聞 きながら、胸騒ぎを感じていた。
 東京の本社と神奈川県藤沢市にある工場は、移動に1時間半近くかかる。中村部長が工場に戻り、技術部全員が集められたのは午後になってからのことだった。
中村(技術部長):「われわれ技術部が満を持して開発した最新のデジタルビデオカメラ DVH-4KRが8台、先月からフィールドエバレーション(エバ)の真っ最中だ。ハリウッドのCG Cinema社(以下CG社)で行われていることは知っていることだろう。
 ところが、およそ半数がCG社の要求スペックをクリアしていないと本社に連絡が入っている。本機種は、次世代のハイビジョン方式も見据えたテレビ /映画製作向けのプロ機材で、このエバは今後の販売計画にも大きく営業を与えることは言うまでもない。CG社は今回の結果を見て、当社に契約の解除を申し 入れている」
城崎直哉(設計課課長):「スペックをクリアしていないって、エバ前に社内で十分テストしたはずでは? 具体的にはどんな問題なんですか?」

続きはこちらより ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1607/21/news013.html


2016年6月16日木曜日

【アイティメディア】"EE Times Japan" 『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』 (第2回) ~「消えぬ“もやもや”、現場の本音はなぜ出ない?」

【アイティメディア】"EE Times Japan" 『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』 (第2回) ~「消えぬ“もやもや”、現場の本音はなぜ出ない?」は、本日、公開です。ぜひ、ご覧ください。


“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(2): 

消えぬ“もやもや”、現場の本音はなぜ出ない? (1/4)

エンジニアとしての在り方や、現場の“言われっ放し感”に悩む技術部の須藤。同期に相談しても、“もやもや”とした感情は募るばかりだ。企画部課長の佐伯は、そんな須藤に、価値を作るとは何か、自分たちを取り巻く組織の風土とは何かを説いていく。

[世古雅人EE Times Japan]
 
 

消えぬ“もやもや感”

前回、課長の森田に対して自社を「腐った会社」と言い放った須藤だが、この発言は須藤の本心ではなかったはずだ。
 これまで幾度となく、開発のやり方について上司に具申してきたにもかかわらず、腰を上げない上司に対する怒りに加え、ホンネが出てこない開発メン バーに対する怒りまで溜め込んだ結果、思わず口にしてしまった言葉だ――。少なくとも須藤自身は、そう信じ込みたいと思っている。そうでないと、腐った会 社に身を置く自分とは、一体何なんだ…と自分自身の存在意義を見失ってしまいそうだからだ。自宅には仕事のことを持ち込まないと決めている須藤は、会社で あった出来事を、育児真っただ中の妻に話すことはない。それもあって、吹っ切れない思いばかりが須藤の頭の中を駆け巡っていた――。

翌日は週末前の金曜日ということもあり、須藤はこの“もやもや感”をかき消すべく、同期の2人に声をかけ、居酒屋で談義した。
 2人とも須藤のいる神奈川県藤沢市の湘南工場ではなく、東京本社に在籍している。日々、顔を合わせない環境だからこそ、たまに会ったときに、ばか話から真面目な話までできる関係なのかなと須藤自身は考えている。

続きはこちらより ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1606/15/news023.html

2016年5月26日木曜日

【アイティメディア】新連載開始です!『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』






“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(1)

 もはや我慢の限界だ! 追い詰められる開発部門

コストの削減と開発期間の短縮は、程度の差はあれ、どの企 業にとっても共通の課題になっている。経営陣と顧客との間で“板挟み”になり、苦しむ開発エンジニアたち……。本連載は、ある1人の中堅エンジニアが、構 造改革の波に飲まれ“諦めムード”が漂う自社をどうにかしようと立ち上がり、半年間にわたって改革に挑む物語である。

[世古雅人EE Times Japan]

相次ぐ大企業の不祥事

画像はイメージです
大手企業の不祥事が後を絶たない。この1年間で目立った大きなものだけでも、1)エアバッグ破裂のタカタ、2)免震ゴム偽装の東洋ゴム工業、3)傾きマンション問題を引き起こした旭化成建材・三井不動産、4)粉飾決算ともいえる不適切(不正)会計の東芝、5)排ガス不正問題のフォルクスワーゲン、そして、6)三菱自動車の燃費不正問題などが挙げられる。
 顧客や購買者/消費者、取引企業からすれば、今後いかに再発を起こさないように改善していくつもりなのか、その具体策も気になるだろう。
 これらを取り扱った記事も、「コンプライアンスが機能していなかった」という漠然とした内容のものばかりだ。特に三菱自動車においては過去に同様 の前科があるため、ひとくくりに企業体質や組織風土の問題だとして結論付けている記事も多い。しかし、本当に企業体質が原因であるならば、そう簡単には直 らず、「どうせまた同じことをやらかすに違いない」と思う諸氏も少なくないだろう。
 とかく、このような不祥事では、会社ぐるみであったかどうか? 経営者がどこまで知っていたのか? と、経営トップや企業全体に問題の目が向きがちであるが、ここで注目したいのは、前述の不祥事では、3)と4)を除き、各社に共通して設計や開発部門が少 なからず関わっていることである。
 さて、電機業界に目を向けてみたい。皆さんもご存じのようにここ数年で日本を代表してきた電機メーカー(三洋電機、東芝[家電部門]、シャープ) は軒並み、海外企業の傘下となった。こうなってしまった理由はいろいろあり、経営(経営者)が原因だと言う人もいるだろうし、製品そのものや製品開発にも 原因があると主張する人もいるだろう。東芝においては企業不祥事が業績悪化を加速させる一因にもなっている。筆者なりの見解の1つとして、価値の創造や獲 得の視点と製品アーキテクチャと組織能力の視点で述べたコラム『勝ち抜くための組織づくりと製品アーキテクチャ』も一読していただければ幸いだ。

ある電機メーカーにおける企業革新の物語

さて、これから皆さんにお読みいただくのは、ある電機メーカーで中堅の開発エンジニアが始めた、企業変革の物語だ。これまでに当社(株式会社カレンコンサルティング)が支援してきた企業で実際に抱えていた問題を元に、筆者自身がエンジニアだった時の体験を重ねてストーリー調にしたもので、会社名や人物名は全て架空である。随時、解説も交えてお伝えしていければと考えている。
 一見、順風満帆であった会社で、ある日、小さな不祥事が明るみに出る。それが引き金となって業績は一気に悪化。リストラや賃金カットの波が押し寄 せ、社内には「もはやここまで……」という諦めムードが漂う。そんな中、常日頃から問題意識が人一倍強かった開発エンジニアの須藤(主人公)が立ち上がる が……。

http://eetimes.jp/ee/articles/1605/26/news019.html

2016年4月28日木曜日

【ゴールデンウィーク連休のお知らせ】

誠に勝手ながら、弊社は「4/29(金)~5/8(日)」の期間を休業とさせていただきます。お問合せ等につきましては、下記のページより承りますので、よろしくお願いいたします。

http://www.carren.co.jp/cgi-bin/inquiry/inputform.cgi

2016年3月23日水曜日

【2016年3月15日】総務省他 「全省統一資格」を更新いたしました。

【2016年3月15日】総務省他 「全省統一資格」を更新いたしました。
 ・業者コード:0000156715
 ・有効期間:平成28年4月1日~平成31年3月31日
 ・提供役務:調査/研究、情報処理、ソフトウェア開発
http://www.carren.co.jp/newsrelease/news/index.html

2016年2月11日木曜日

【新刊発売】2016年2月26日 『いまどきエンジニアの育て方』

アイティメディア社の"EE Times Japan"の人気連載コラム『いまどきエンジニアの育て方』が本になりました。2016年2月26日発売で、現在、予約受付中です。コラムでは書き切れ なかった組織や人事の基礎知識から組織学習、企業風土まで広範囲にわたり新たに加筆したものです。ぜひ、お手に取ってみてくださいませ!

【内容紹介】
企業を取り巻く環境の変化は一段と激しくなり、上司・先輩社員が若手の育成にまで面倒を見ていられないのが現状です。また、「いまどきのエンジニア」はこ れまでの育成法やOJT、コミュニケーションではうまくいかないケースが増えています。本書では「自然とエンジニアが育つ」環境をいかに作っていくかに焦 点を当てて解説しています。部下の育成に悩む上司・先輩社員にお勧めの1冊です。
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人材育成は子育てのようなもの……A社にとって良い結果が出ても、それがB社にとっても良い結果をもたらすわけではありません。よその子供と自分の子供を 比較して、「なぜ、うちの子はよその子のようにできないのか?」と悩むことと同じです。そもそも比較することが無意味なのです。
地域ぐるみで子供を育てるように、職場の組織単位で人が育つ仕組みをつくる、環境を構築する。少し創意工夫を加えてやるだけで、ほったらかしに近い、「自然とエンジニアが育つ」環境をいかに作っていくかに力点を置き、皆さんと一緒に考えていければと思います。
(「はじめに」より抜粋)
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http://www.amazon.co.jp/dp/4863541929/

無料相談会開始のお知らせ

Free Consultation  無料相談会 はじめに コンサルティング会社に相談と言っても、「何だか敷居が高いな…」と感じてしまう人もいるかもしれません。 当社のWebサイトは小難しいことが長々と書いてありますよね。図や文字も多く、見るだけで疲れてし...