コミュニケーションを考える(1):コミュニケーションとは何か?
» 2019/11/13
3年ほどブランクがありましたが、記事を再開しますのでよろしくお願いいたします。当社がコンサルティング支援をするクライアントの事例、セミナーや研修で挙げられる課題等から材料(ネタ)を3年間、じっくりと温めてきたと思っていただければ幸いです。
今回から複数回にわたり、エンジニアのコミュニケーションについて(エンジニアでなくてもOK!です)お話します。
第1回は「コミュニケーションとは何か?」です――総じてエンジニアがあまり得意ではないとされるコミュニケーションについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
頻発するコミュニケーションの問題
ここ数年、メーカーをはじめ企業の研究開発や設計部門等の現場で、エンジニアの皆さんとご一緒する機会が多い。そこで、問題として挙がる項目で目立つもはコミュニケーションに関する問題だ。本来、エンジニアが最優先して解決すべき問題は、開発期間の遅れを取り戻す(納期を守る)こと、不具合等を出さないこと、品質を落とすことなくコストを下げること等々は既にどの企業も同じだ。にもかかわらず、コミュニケーションに関する問題も後を絶たない。むしろ、様々な企業を見てきた我々からすればコミュニケーションの問題は以前より増え、かつ複雑になっていると感じる。
例えば、
例えば、
- 相手がなかなか理解してくれない(理解してくれていると思っていたけど、出来上がった成果物はまったく違うものだった等)
- 何度言っても同じミスを繰り返す外注さんにイラッとする
- 上司と話が合わない
- 会議では誰も発言しないまま終了時間を迎える、結論が出ない(全員が理解納得したものだと思っていたら、後にトラブルになった)
- メールの返信が遅い、グループウェアの掲示板を誰も見ていない
- 他部門と意思疎通ができない(部門の壁、セクショナリズムを感じる)
等々、どこの企業からも聞こえてくる。
言いたいことはそうじゃない!
仕事を進める上でコミュニケーションは要らないという人はいないだろう。1人だけで全て自己完結する仕事ならコミュニケーションは要らないかもしれない。しかし、組織人として企業や団体等に属している人間は、たとえ1人だけで仕事をするにしても、一日一言も話をしなかったという日は滅多にないはずだ。
ある程度の規模の仕事を進めるということは、複数人が属するチームやグループであったり、部や課という組織体で行われる。組織をまとめる立場(○×リーダー、課長・部長等)であればなおさらで、部下の話も聞かなければいけないだろうし、組織の方針を伝えることも必要、トラブルが起きた場合は他部門との調整も要求される等々、いや応なしにコミュニケーションを取らざる得ない場面に遭遇する。「言いたいことはそうじゃない!」と"言いたい"時はないだろうか?
コミュニケーションとは何か?
「コミュニケーションなど成り立たなくても構わない」――このように考えている人もいるかもしれないが、いいオトナ(いい年齢)になってからもこう考えているようならば、その人には腹を割って話せる友達は少ないはずだ。