2019年12月24日火曜日

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はじめに

コンサルティング会社に相談と言っても、「何だか敷居が高いな…」と感じてしまう人もいるかもしれません。
当社のWebサイトは小難しいことが長々と書いてありますよね。図や文字も多く、見るだけで疲れてしまうかもしれません。このページをご覧になっている皆さんも、自社の状況を振り返りながら、綺麗ごとや理屈だけでうまくいかないと感じながら、当社のWebを見ていただいているのではないでしょうか。
私たちカレンコンサルティングは小さな会社です。
たくさんのコンサルタントを抱えているわけでもありません。1人のカバーする範囲が広く、専門領域が多岐にわたっています。「それはできません」ということはよほどのことがない限りありません。小さな会社がゆえに、私たちは1社1社を丁寧に、伴走者のごとく共に考え、支援するのが当社のスタンスです。困っている企業や人を見過ごしにしたらいけないと考えています。建物は古い、スペースも決して広いとは言えない当社ですが、お気軽にいらしていただければ幸いです。相談の後に「うん、なるほどなぁ」と感じていただけるよう、私たちは真剣に皆さんと向き合います。

このような方はぜひ!

・真剣に自社を変えたいと考えている人
・誰よりも問題意識が高く、変革意欲なら負けないという人
・意欲はあるが、どうやればいいのかやり方がわからず困っている人
・筋の通った明確な信念を持ち、困難に向かうことをいとわない人

ご相談分野とご相談内容の例

分野にこだわらず、横断的であっても問題ありません。横断的とは例えば、以下の1) または 2) の場合です。砕けた言い方をすれば、”何でもOK”ということです。
1)「コンサルティング」「教育研修」「講演/セミナー」の混在
2)「コンサルティング」メニューの「経営理念」~「組織風土」までが複雑に入り混じった構造となっている場合は、何らかの相互作用が働いています。
横断的で複雑――いずれであってもお話を伺いながら整理をしていきますので、お気軽にご相談ください。
詳しくはこちらより ⇒ https://www.carren.co.jp/free_consultation/

【ITMEDIA:@ITエンジニアライフ】「プロセスコンサルティング」のススメ!―コミュニケーションを考える(3):場と質の関係


「人と組織」という切り口で、経営と現場の課題解決についてカレンコンサルティングが分かりやすくお伝えしていきます。

コミュニケーションを考える(3):場と質の関係

» 2019/12/24
『コミュニケーションを考える』の第3回目は、コミュニケーションの双方向性と組織特性の関係についてお話します。さらに「場」について少しアカデミックな見地から、お伝えします。いつまでも結論が出ない会議にイラッとしながら目の前の会議に付き合うのか?――皆さんが自分の組織の特性を考慮しながら、コミュニケーションする場面や立場に応じて、うまく使い分けるためにもまずはその原理とメカニズムを知っておきましょう。

双方向コミュニケーションと自律分散型組織

前回は「成立しないコミュニケーション」から始まり、時代とともに変わってきたコミュニケーションにはそれぞれスタイルがあり、大きく分けて2種類があることを述べた。
その1つが、「上意下達型コミュニケーション」だ。上(経営、上司等)から下(現場、部下等)へガツンと落すやり方だ。迅速な意思決定や指示命令で組織を動かす軍隊には向くが、ごく普通の企業組織にはあまり向かないだろう。下からの意見を上が一切聞かないため、下は意見を言わなくなるだろうし、上の言うことに従っていれば良いという考えになるので、指示待ち体質にもなりやすい。現場のマイナス情報も上に伝わらない(伝えない)ので、ことが明らかになった時には大問題になっている。
今回、皆さんにお伝えする2つ目のコミュニケーションは、「上意下達型」のような「一方通行型」ではない「双方向コミュニケーション」だ。図1は、組織(階層型組織と自律分散型組織)とコミュニケーション(上意下達・一方通行型と双方向型)を階層ごとに示したものだ。
図1:組織特性とコミュニケーションの取り方
191224-1.png
図1の右図で示す自律分散というネーミングはコンピューティングの処理からとっている。それぞれが明確に役割を持っていて、現場の部分部分で最適化された処理がなされるという意味合いから筆者は「自律分散型組織」と呼んでいる。わかりやすく言えば、上からあれこれ指示されなくとも自分のやるべきことはきちんとわかっているという「オトナの組織」である。コミュニケーションの方向は「上から下、下から上、横方向」と縦横無尽(Web状)だ。横方向も自部門内に限らず、部門を超えて情報や問題を共有するようなコミュニケーションをとっている組織だ。
さて、皆さんの部門でとられているコミュニケーションはどちらだろうか?
何となく、右側の双方向コミュニケーションがいいなと思う人もいるだろうが、組織の中にはこの2つのコミュニケーションスタイルが混在している。それはコミュニケーションの目的によって変わるからだ。例えば、「我が社は自律分散型の組織だよ」としても、部門責任者から今期の方針説明の時、朝礼で上司が話をする時等は、上意下達(一方通行)のはずだ。これについては、後ほど「コミュニケーションの質」で述べる。

2019年12月4日水曜日

【月刊総務オンライン】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方 第26回:企業変革の現場より-(3)組織風土改革に失敗する企業(前編)

月刊総務オンライン

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第26回:企業変革の現場より-(3)組織風土改革に失敗する企業(前編)
2019年12月04日

 これまで、企業の不祥事、経営への不信感、早期退職による社員のモチベーション低下等によって、企業体質に目を向け組織風土改革に取り組む企業が多かったものです。しかし、昨今は業績が悪くない企業が組織風土改革に取り組むケースが増えています(第25回参照)。組織風土改革の成否の要因として、「(1)取り組む理由」「(2)取り組む企業の状況」「(3)変革の中心と推進」の3つが挙げられます。業績が悪くなく、社員もさほど困っていない企業では(1) (2)の影響よりも、(3)の影響がもっとも大きいとお伝えしました。
 今回は具体的な事例を示しながら、組織風土改革に取り組む際に、企業が陥りやすい失敗について、2回にわたり、みなさんにお伝えします。

■製造業A社の事例

 社員1,500人、航空・自動車関連部品の製造を行う。リーマンショック時に希望退職を行い、以降業績は好調に推移。組織活性化の経営施策として風土改革に着手。
 本社の人事部と各部門の管理職(主に課長職)のプロジェクトチームが、組織風土改革の推進部門として進め、さまざまな施策を掲げて風土改革に取り組んだが、話し合いはなかなかまとまらない、打った施策は費用ばかりかかり効果は出ない、社員の関心度も低く協力的ではない等、開始数か月で早くも頓挫の兆しが見える。
 各部門の経営方針に「組織活性化」「組織風土改革」と書かれているので、最低でも1年間はやり続けなければならないこの活動が、プロジェクトチームとしては苦痛である。最近では「そもそも何のために風土改革をやっているんだ?」と、活動そのものに疑問を呈すメンバーも出てきた。月に一度、チームから経営層へ報告を行っているが、言い出しっぺの経営層は「早く結果を出せ」の一点張りだ。
図1 A社の風土改革は思いっきり空振り......
sosikihudo26_1.png
 せっかく風土改革に取り組んだものの、思いっきり空振りで、どうしたらよいかわからずにプロジェクトメンバーの何人かが当社を訪れました。筆者も「なんでこんなやり方しちゃったの??」と思いながら対応しました。
 なぜ、A社の風土改革はこのようになってしまったのでしょうか?

2019年11月28日木曜日

【ITMEDIA:@ITエンジニアライフ】「プロセスコンサルティング」のススメ!―コミュニケーションを考える(2):変わりつつあるコミュニケーションスタイル






「人と組織」という切り口で、経営と現場の課題解決についてカレンコンサルティングが分かりやすくお伝えしていきます。



コミュニケーションを考える(2):変わりつつあるコミュニケーションスタイル

» 2019/11/28

『コミュニケーションを考える』の第2回目は、時代の変化と共に変わりつつあるコミュニケーションスタイルについて、一緒に考えていきましょう。
可能な限り図は綺麗に作成しています。今回は文章も長いです。決して軽い内容ではなく、きちんと皆さんの役に立つことを丁寧にお伝えしていければいいなと思ってます!

序章:古き良き時代の回想録より

筆者がメーカーで開発に携わっていた頃――もう20年近く前のことにだが、皆さんにはちょっと耳を傾けてもらいたい。当時の筆者は電子計測器のハードウェア設計が主な仕事で、組込み等のソフトウェア開発も行うこともあった。1990年代前半はハード設計者とソフト開発者の境界は曖昧で、ハード設計者がボードのCPUを引っこ抜き、ICE(In Circuit Emulator)をつなぎ、今ではすっかり死語とも思えるマシン語やアセンブラで開発やデバッグをするのが当たり前の時代だった。現在と違い、製品規模のソフトウェアに占める比率が少なく、規模も小さかったからできる芸当だったと思う。
technical-647488_1280.jpg[Source:Pixtabay]

この時代は、ハード設計者がソフトの中身を知っていたこともあるし、ソフト開発者もハードウェアの知識を持っていて、お互いに積極的なコミュニケーションをとらなくても開発業務そのものは進んだ。コミュニケーションのやり取りにしても、ハードウェア設計者が「これ、うまく動かないんだけど、ソフトがどっか間違っていない? 仕様書ではこうだけど...ちゃんと理解している?」とソフト開発者に問う場面をあまり見たこともなかった。なぜなら、ハードウェア設計者が自分で解決してしまうので、コミュニケーションの必要性がさほどなかったからだ。
それでも、時代とともに製品規模が大きくなり、ASIC/FPGAがどんどん搭載されるようになり、ソフトウェア規模も肥大化してくると、自己完結できなくなってきた。当時の職場では開発プロセスやコミュニケーションについて勉強会をよくしたものだ。
UMLもその1つで、3アミーゴの時代でまだグローバルに表記方法が統一されていない時代に、抽象的なオブジェクト指向は筆者の頭にさっぱり入ってこなかったが、当時の上司にはコミュニケーションツールとして使えるとごり押しされた(今でこそわかるが当時は理解し使うに至らなかった)。次はアジャイル開発プロセスで、当時としては斬新だったが、とりもなおさず、これまでコミュニケーションをさほどとらなくても開発業務が成り立っていたエンジニアからすれば、「アジャイルではコミュニケーションが大事」というアメリカ流の考えはなかなか定着しなかった。どういうことが起こったかと言うと 『ソフトウェア要求管理(ピアソンエデュケーション, 2002年)』という本にも書かれているが、「なるほど...しかし症候群」だ。一度は、「なるほど」と同意しているにもかかわらず、「しかし(でもねぇ...)」と話がひっくり返されることだ。決まるべきことが、いつも土壇場でひっくり返されるちゃぶ台返し攻撃に筆者は腹を立て、「自分のやり方には合わん」と思ったことは一度や二度ではなかった。

成立しないコミュニケーションとは何か?

コミュニケーションが大事だと言われる――常識的なオトナならば誰も反論はないだろう。そんなこと言われなくてもわかっているよと...。
仕事を進める上では、嫌な上司や関わりたくない同僚ともコミュニケーションをとらざるを得ない。相手は何を言っているのか、言いたいのかわからない。こちらの言ったことを理解しているのかも疑問だ。人の話を最後まで聞かずに「わかったわかった」と話を遮る人、きちんと伝えたにもかかわらず全く違う解釈をやらかす人(後でお前の言い方が悪いと怒られる不条理等)など、皆さんの周りにいないだろうか? そして、皆さん自身がそうなっていないだろうか?
図1はご覧いただきたい。左側が送り手(話し手)で右側が受け手(聞き手)とする。ここでは受け手の問題の問題として、AからCまでの3つのパターンを挙げる。
図1:成立しないコミュニケーション
191128-1.png
スルーされたり(A)、最後まで人の話を聞け(B)、偉そうに決め付けるな(C)と、感じることはないだろうか?
そして、これらの原因は全て相手(ここでは受け手)が悪く、「聞く気がない」「理解力が不足している」「コミュニケーションスキルが足りない(コミュニケーション能力が低い)」と相手のせいにしていないだろうか?


2019年11月18日月曜日

【月刊総務オンライン】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方 第25回:企業変革の現場よりー(2)困っていない現場の組織風土改革

月刊総務オンライン

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第25回:企業変革の現場よりー(2)困っていない現場の組織風土改革
2019年11月18日

 本コラムでは組織風土改革について、「ソフト(組織風土改革、コミュニケーション活性化等)」改革のみの限界(業績へのプラス効果が見えにくい、時間がかかり過ぎる等)を知り、業績にプラス効果をもたらすために、「ハード(プロセス、仕組み等)」を組み合わせることで、業績も組織風土も良くしていくということをみなさんへお伝えしています。前回から時間が経ってしまいましたが、軽く以下におさらいします。

■業績が良い企業が組織風土改革に取り組む

 従来、企業が組織風土改革に取り組むきっかけとしては、何かしら自社の業績にかかわることに起因するものが少なくありませんでした。たとえば、早期退職により社員数が減り、残った社員の業務負荷が増加する、その結果として社員のモチベーション低下を招く。経営への不信感が拭いきれない等です。風土改革が業績にどのようにプラスに働くかはわからない手探り状態であっても、まずは目の前の社内のコミュニケーションの悪さやギスギス感を何とかしたいという現れのようにも見えます。
 しかし、昨今は業績がさほど悪くない、むしろ業績は向上している企業が組織風土改革に取り組むというケースが増えてきています。これはむしろ望ましい姿かもしれませんが、アプローチを誤ると業績が良いにもかかわらず、社内の風通しは余計に悪くなったという組織風土としては悪い方向に進んでしまう危険が潜んでいます。

■誤った「働き方改革」による業務への弊害

 その理由の1つとして「働き方改革」が挙げられます。働き方改革の真意・本質をきちんと理解していれば良いのですが、働き方改革の言葉だけ先走ってしまい、企業が安易な施策を取ると、ろくな結果にはつながりません。下記、図1に概念図を示します。
図1:「働き方改革」と社員の業務・マインドへの影響
soshiki25.png
 経営者の本音は「効果の追求」であり、その目的達成のために現場へは「効率を要求」します。当社では風土改革と同時に業務改善のご支援をすることが少なくありませんが、そこでよく見られることを述べます。







2019年11月13日水曜日

【ITMEDIA:@ITエンジニアライフ】「プロセスコンサルティング」のススメ!―コミュニケーションを考える(1):コミュニケーションとは何か?



「人と組織」という切り口で、経営と現場の課題解決についてカレンコンサルティングが分かりやすくお伝えしていきます。

コミュニケーションを考える(1):コミュニケーションとは何か?

» 2019/11/13

3年ほどブランクがありましたが、記事を再開しますのでよろしくお願いいたします。当社がコンサルティング支援をするクライアントの事例、セミナーや研修で挙げられる課題等から材料(ネタ)を3年間、じっくりと温めてきたと思っていただければ幸いです。
今回から複数回にわたり、エンジニアのコミュニケーションについて(エンジニアでなくてもOK!です)お話します。
第1回は「コミュニケーションとは何か?」です――総じてエンジニアがあまり得意ではないとされるコミュニケーションについて、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

頻発するコミュニケーションの問題

ここ数年、メーカーをはじめ企業の研究開発や設計部門等の現場で、エンジニアの皆さんとご一緒する機会が多い。そこで、問題として挙がる項目で目立つもはコミュニケーションに関する問題だ。本来、エンジニアが最優先して解決すべき問題は、開発期間の遅れを取り戻す(納期を守る)こと、不具合等を出さないこと、品質を落とすことなくコストを下げること等々は既にどの企業も同じだ。にもかかわらず、コミュニケーションに関する問題も後を絶たない。むしろ、様々な企業を見てきた我々からすればコミュニケーションの問題は以前より増え、かつ複雑になっていると感じる。
例えば、
  1. 相手がなかなか理解してくれない(理解してくれていると思っていたけど、出来上がった成果物はまったく違うものだった等)
  2. 何度言っても同じミスを繰り返す外注さんにイラッとする
  3. 上司と話が合わない
  4. 会議では誰も発言しないまま終了時間を迎える、結論が出ない(全員が理解納得したものだと思っていたら、後にトラブルになった)
  5. メールの返信が遅い、グループウェアの掲示板を誰も見ていない
  6. 他部門と意思疎通ができない(部門の壁、セクショナリズムを感じる)
等々、どこの企業からも聞こえてくる。

言いたいことはそうじゃない!

仕事を進める上でコミュニケーションは要らないという人はいないだろう。1人だけで全て自己完結する仕事ならコミュニケーションは要らないかもしれない。しかし、組織人として企業や団体等に属している人間は、たとえ1人だけで仕事をするにしても、一日一言も話をしなかったという日は滅多にないはずだ。
ある程度の規模の仕事を進めるということは、複数人が属するチームやグループであったり、部や課という組織体で行われる。組織をまとめる立場(○×リーダー、課長・部長等)であればなおさらで、部下の話も聞かなければいけないだろうし、組織の方針を伝えることも必要、トラブルが起きた場合は他部門との調整も要求される等々、いや応なしにコミュニケーションを取らざる得ない場面に遭遇する。「言いたいことはそうじゃない!」と"言いたい"時はないだろうか?
図1:言いたいことはそうじゃない!
191113-1.png

コミュニケーションとは何か?

「コミュニケーションなど成り立たなくても構わない」――このように考えている人もいるかもしれないが、いいオトナ(いい年齢)になってからもこう考えているようならば、その人には腹を割って話せる友達は少ないはずだ。

2018年10月16日火曜日

【月刊総務オンライン】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方|第24回:企業変革の現場よりー(1)プロローグ:今変わりつつある組織風土改革

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    第24回:企業変革の現場よりー(1)プロローグ:今変わりつつある組織風土改革

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第24回:企業変革の現場よりー(1)プロローグ:今変わりつつある組織風土改革
2018年10月16日

 約1年半ぶりの再開となりますが、あらためてよろしくお願いいたします。数回にわたりテーマを設け示します。最初のテーマは「企業変革の現場より」です。
 このコラムも第1回は2012年2月で、かれこれ6年半前となります。その頃に当社がお手伝いをした企業変革の課題と、ここ1、2年の課題は少々事情が変わってきています。その一方で、昔も今も何ら変わらないという課題も少なくありません。
 今回よりみなさんにお伝えしていく内容は、実際に企業で起こったこと・起こっていることをメインとしていきます。さまざまな課題を抱えた企業に対して、我々がどのようなアプローチで、どのような支援を行い、具体的に組織にはどのような変化が生じてきたか? 企業や働く社員の意識と行動変革の現れ方、そして業績へどのような効果が現れてきたのかを、それぞれのポジション(経営者、管理職、推進のための事務局、現場の社員等)の観点から、次回から皆さんにお伝えしていきます。今日のところはまずは"プロローグ(序章)"です。

■"プロローグ":組織風土は氷山の水面下

 まずは今一度、組織風土についてです。図1に「組織風土の氷山モデル」を示します。
図1 組織風土の氷山モデル
第24回_図1.png
 水面下の目に見えない"ソフト部分""ハード部分(方針・しくみ・戦略等)"の実行に影響を与えていることを模式的に示したものです。わかりやすくいえば、「理屈はわかるけど気持ち的には納得できない」ということがあるでしょう。これの逆がこの氷山モデルを簡易に説明したものだと思っていただければ十分です。つまり、水面下の"ソフト部分"のような状態が慢性的に起きている状況下で、"ハード部分"の施策を行ったところで、真剣な気持ちで取り組めない、あるいは新しいシステムや制度等を受け入れ難い(納得しない)ということになりがちです。
 組織風土はこの"ソフト部分"に相当します。
 同図中、"ソフト部分"はさらに3階層に分けて示しています。もっとも深い"組織のOS層"から浅い"現象層"までを端的に説明するならば、図中の赤文字だけを着目していただければ十分です。「お互いにけん制し合う関係や無関心であると......」⇒「どうせいってもムダ、言い出しっぺが損をする、出る杭は打たれる......ような状態になり......」⇒「部門間の壁(セクショナリズム)や指示待ち、情報が流れにくいような現象を引き起こす」ということです。これらの根っこは、「人と人の関係性」であり、これら一連のソフト部分が図のような関係と現象を招いている上に成り立つ「経営方針、しくみ、戦略......」などの"ハード部分"は「仏作って魂入れず」のようになることは容易に導き出すことができるでしょう。
 過去の記事(第13回第14回第15回)においても、何度か"ハード"と"ソフト"は登場しているので参照してみてください。

■昨今の組織風土改革に取り組む企業の特徴と要因

 従来、組織風土が問題として取り上げられる、ニュースや新聞の紙面をにぎわす場面は主に企業の不祥事が発覚した場合(第20回参照)でした。最近であれば自動車業界の度重なる不正なども同様です。
 また、業績悪化に伴う早期希望退職の実施、関連会社への出向や転籍等、これらの経営施策により引き起こされる社員のモチベーションダウン、経営への不信感、職場におけるギスギス感等が組織風土の問題として認識されていました。先の図1に当てはめると、既に前述したように"ソフト部分"としては「社内で余計なことはいわなくなる=情報が流れにくくなる」等の弊害が出てきて、"ハード部分"の経営施策や改革にブレーキをかけたり、新製品がトラブル続き、現場の生産性は上がらない等で、組織風土だけでなく業績そのものにもマイナスの影響が出ることを何とかしたいという活動の取り組みとして組織風土改革に着手するという企業が多く見られたものです。
 ところが昨今は、業績はさほど悪くない、むしろずっと上がり続けている企業が組織風土改革に取り組むことが増えてきました。こうなってしまうと、本コラムのタイトル――『業績に効果が出る新しい組織風土改革』というが成り立たなくなってしまうのですが、実際、当社が直近の数年でご支援している企業は、どこも業績は好調です。
 その1つの要因としては、「働き方改革」が叫ばれる中、
(続きはこちらより)

2016年12月10日土曜日

【月刊総務オンライン】『業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方』-「第22回:経営理念とブランド・ビルディング(前編)」



コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第22回:経営理念とブランド・ビルディング(前編)
2016年12月05日

第20回から組織風土改革を「経営者の視点」でお伝えし、前回(第21回)は、経営理念と組織風土の関係について述べました。


 今回と次回の2回にわたって、ブランドについて考えていきます。
 「なぜ、ブランド?」「ブランドって組織風土と関係するの?」と思われるかもしれませんが、読み進めていくうちに、ブランド構築(ブランド・ビルディング)ということが、社員の行動や価値判断基準に影響を与え、ひいては組織風土に強く影響を与えるものという理解が深まることでしょう。

■ 前回のおさらい(経営理念と組織風土)
 軽く、前回のおさらいです。経営理念が組織に浸透しないと嘆く経営者が多いということからはじまり、あれこれと施策に取り組むものの、具体的に社員の行動変革がなかなか見られないなど、やりがちな施策とうまくいかない理由を示しています。まとめとしては以下の通りですが、特に太字の部分はとても重要な原理原則でもあります。
 「組織文化(組織風土)」は、社員へ新しいパラダイムや価値観を与えます
 組織風土そのものが、企業のパラダイムであり価値観です。経営理念が、組織を構成する社員一人ひとりのパラダイムと価値観に影響を与えるものでなければ、組織には絶対に浸透・定着はしません。「経営理念と組織風土を一緒に考え、経営理念は新しいパラダイムと価値観を社員に与える。その結果、組織風土として醸成される」と理解することが必要――と、このように書きました。さらに、小手先の方法論やツールの活用に走っても意味がないとも述べました。
 ここでもう一度、経営理念について考えてみましょう。

■ 経営理念から戦略の実行まで
●図1 経営理念から戦略の実行
第22回_図1.png  図1をご覧ください。経営理念から戦略の実行までをピラミッド構造で示しています。
 (1)経営理念がないと、(2)ビジョンはぶれて、(3)戦略は絵に描いた餅になる、(4)計画もつぶれ、(5)骨折り損のくたびれもうけ......と、経営理念から戦略の実行までを対比して示しています。「そんなことはいわれなくともわかっている」ことでしょうが、もう少しお付き合いください。
 さて、ここで「(1)経営理念がないと」という意味は、経営理念が存在しないということではなく、組織そのものに浸透していない......すなわち、社員に何も企業のパラダイムや価値観を与えるべき経営理念になっていないという意味で考えてみましょう。つまり、社員には価値判断基準すらないことになるので、社員の行動はバラバラで、極端なことをいえば、「何をしでかすかわからない」。基準がないということは、「ぶれて当たり前」の結果になります。

続きはこちらから ⇒ http://www.g-soumu.com/column/2016/12/soshiki22.php

【アイティメディア】"EE Times Japan" 『“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日』 第7話「450人が去った会社――改革の本番はむしろこれから」

“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日(7):

 450人が去った会社――改革の本番はむしろこれか

湘南エレクトロニクスでは、ついに希望退職の日を迎えた。会社を去ったのは最終的に450人。だが、「社内改革」という意味ではむしろこれからの方が本番だった。会社再建に向けてどう青写真を描くべきか……。悩む須藤に、追い打ちをかけるように一報が入る――。
 
「“異端児エンジニア”が仕掛けた社内改革、執念の180日」バックナンバー

これまでのお話


映像機器関連の開発、販売を手掛ける湘南エレクトロニクス(湘エレ)。ある朝、同社が社運をかけて開発した最新のデジタルビデオカメラについて顧客から1本のクレームが入る。そのクレームが引き金となり、ついには全社員の4分の1に当たる500人を削減するという経営刷新計画が始まった。湘エレの中堅エンジニア須藤は、容赦なく始まったこの計画の波に翻ろうされながらも、会社を何とか変えようと、1人立ち上がる。そして、自分と同じ志を持っていると思われる“仲間”を集め、自社再建に向けてスタートを切ったのだが……。



本連載の人物相関図(クリックで拡大)

そして450人が会社を去っていった

湘エレ(湘南エレクトロニクス)の経営層が経営刷新計画を打ち出して3カ月、希望退職の期日を迎えた。500人の応募対象者に対し、最終的に450人余りが手を挙げ、11月末日をもって会社を去った。
 退職金の上増し分は勤続年数に比例しているため、早期退職に手を挙げた社員は、年齢の高いベテラン勢が多かった。その中には須藤が新人のころに、あれこれと面倒を見てくれた製造現場のベテランたちも多く含まれていた。「お前ら開発がいいものを設計すれば、後は俺たち製造が最高のものに仕上げてやる」「いいか、ちょっとこれを見てみろ。図面だけでモノができると思うな。製造のプロセスを頭にたたき込んで設計しろ!」……振り返ればたくさん怒られながらも、現場からは山ほど学ばせてもらった。お世話になった人たちがいなくなることは須藤たちにとってはつらいことだった。辞めていったベテラン社員も、定年まで勤めるつもりでいたに違いない。

続きはこちらから ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1611/28/news034.html
 

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