2012年12月31日月曜日

【ITMedia】いまどきエンジニアの育て方(第17回)「目指すはプロフェッショナル」

  いまどきエンジニアの育て方(17)

目指すはプロフェッショナル

若手エンジニアも、やがてマネジメント職に就くときがきま す。マネジャーには主に、さまざまな知識やスキルが求められる“ゼネラリスト”と、テクニカルスキルの占める割合が多くなる“スペシャリスト”の2つのタ イプがあります。エンジニア出身のマネジャーは、どうしてもスペシャリスト的な要素が強くなるのですが、これからは“ゼネラリスト”と“スペシャリスト” の両方を備える「プロフェッショナル」を目指したいものです。若手に技術以外のスキルもバランスよく身に付けさせることが大事になっています。

「いまどきエンジニアの育て方」連載一覧
 田中課長は、「若いうちにエンジニアとしての専門性を高めること」や、「開発部門だけでは製品はできないこと」を、佐々木さんに伝えてきました。
 これまで、開発部門の後工程となる製造部門(第14回)や、前工程である企画・マーケティング部門(第15回)を見てきました。自部門だけではなく、関連部門のお互いの仕事を良く知ること、すなわち、部門間でのコミュニケーションは製品開発に大きな影響を与えます。田中課長は、2年目エンジニアである佐々木さんと加藤さんに、製品の企画/コンセプトメイキングの大切さ(第12回)を学ばせるため、製品コンセプト会議に参加させました(第16回)。これは、開発部門の新しいOJT(On the Job Training)の1つかもしれません。
 さて、田中課長はあれこれと画策していますが、田中課長は、佐々木さんをはじめ、今後入社してくる若手エンジニアの育成についてどう考えているのでしょうか? 今回はエンジニアのキャリアデザインについてお話します。

生涯、技術を追い続けるのか?

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新卒で入社して30代半ばに差しかかるときに、当社では皆一様に「何となく」管理職になるけど、管理職にもいろんなタイプがいるよね。

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どうしたんです? 急に。

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いや、僕はずっと技術畑一筋で他のことはあまり知らないんだ。松田課長は中途入社ってこともあるけど、技術だけでなく幅広くマーケティングやマネジメントにも精通してるよね。僕自身は、「自分=(イコール)“スペシャリスト”である」と勝手に思い込んでるところがあるなと。

続きはこちらから ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1212/25/news016.html

【gihyo.jp連載】無関心な現場で始める業務改善(シーズン2) 第6回 公開中


gihyo.jp

無関心な現場で始める業務改善【シーズン2】

第6回 "やらされ感"なし!トップが腹をくくった改善を目指す

2012年12月25日

コンサルティング会社C社を訪問した佐藤さんに,出迎えたS氏とW女史からのアドバイスはまだ続いています。具体的な変 革のシナリオ,トップや現場の巻き込み,社内的な改善活動の位置付けなど,中田社長から後押しをされてはいるものの,どこから手を着ければよいのか,わか らないことだらけです。

"やらされ感"のある改革はやりたくない

  • 佐藤さん:「問題意識が高かった社員は先月の早期退職でほとんど辞めてしまいました。今は余計なことは言わない,関わりたくないという人たちばかりです。しかし,このまま品質問題を放置しておくわけにはいかないので,業務改善は待ったなしです。先ほど伺った"ソフト部分"(第5回参照)の組織風土を変えていくことも視野に入れて考えないと,当社では立上げだけではなく,その先も難しいように感じます」
  • S氏:「佐藤さん自身は,業務改善にどんなイメージをお持ちですか?」
  • 佐藤さん:「現場から職場の問題を定期的にいくつか出してもらい,問題の多そうなところから順番につぶしていく……そんな感じです」
  • S氏:「それでうまくいきましたか?」
  • 佐藤さん:「なんだか形骸化している印象が強いし,業務改善をやる人は決 まっている感じです。やらない人は何もやらない。見ているだけです。それに,申し訳ないと思いつつも,何これ?と言いたくなるような,くだらない改善案も あります。実際に改善を行っていてコストが下がった,品質が上がったという話もほとんど聞きません」
  • S氏:「うんうん……なるほどね。それで…?」
  • 佐藤さん:「みんな,"やれ!"と言われればやる人なのですが,"やれ!"と言われなくとも現場が工夫してどんどん改善をしていく。こういう姿が理想的だなと思います」
  • W女史:"やらす側"と"やらされる側(現場)"という構図にはしたくないですからね」
  • 佐藤さん:「はい。"やらされ感"のある改革はやりたくありません」
  • S氏:「この図(図1)はよく当社が用いるものですが,これまでお話をしてきた"ソフト改革"と,もう1つの"ハード改革"について,業績との関わり具合とそれぞれの特徴について示したものです。"やらされ感"についても考えてみましょう」
    (おもむろにS氏は佐藤さんへ説明を始めました)
図1 変革のハードとソフト
図1 変革のハードとソフト

「やらせる改革」のハード改革

「本来,業務はこうあるべきだ!」。とかく,大上段に構えている会社の上層部だけに限らず,コンサルティング会社とは, おおよそ「エラソーなこと」を言うところです。「御社の"現状(as is)"はXです。"あるべき姿(to be)"はYです。このギャップZ(=Y-X)が御社の課題です」と。「なるほど,そうかもしれないな」と思いながら,あからさまに自社の悪いところを指 摘されるのはあまり気分の良いことではありません。
続きはこちらから ⇒ http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/kaizen2/0006

2012年12月13日木曜日

【ITMedia】いまどきエンジニアの育て方(第16回):エンジニアこそ、マーケティングを学べ!


いまどきエンジニアの育て方(16)

エンジニアこそ、マーケティングを学べ!

マーケティングの観点を持って、あらためて技術を見ると、 設計思想、アーキテクチャ、設計手法、所用機能、基盤技術がガラッと変わることがあります。結果的に開発期間、開発費用に多大な影響を与えることが少なく ありません。今回は、「技術マーケティング」と「コンセプトメイキング」について、お話します。


「いまどきエンジニアの育て方」連載一覧
 開発部の田中課長は、佐々木さんに「開発の前工程部門である企画やマーケティング」について学んでもらいたいと考えていました(第14回)。マーケティング部の松田課長と、「顧客・市場・競合について分かるエンジニアが増えるといいのにね」と話しながら、「若手エンジニアが製品コンセプト会議に参画すること」を考えています。

技術マーケティングとは

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田中課長、ちょっとこんな絵を作ったのですが見てもらえますか(図1参照)?

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松田さんお得意のチャートですね!

mm121212_imadoki16_fig1.jpg 図1 技術マーケティング戦略による差別化

続きはこちらから ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1212/12/news009.html

2012年12月11日火曜日

【月刊総務:2013年1月号】創刊50周年特別企画にて"組織風土改革"コラム掲載

2012年12月8日発売の【月刊総務:2013年1月号】の『特集 創刊50周年特別企画:これからの時代の総務の在り方』の取材・対談にて1ページですが、"組織風土改革"について書きました。
是非、ご覧ください。

http://www.nana-cc.com/soumu/newly-issued.html

【月刊総務オンライン】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方 第16回 本日公開

月刊総務オンライン

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第16回:「新しい組織風土改革」と「これからの業務改善」

早いもので、2012年2月より開始した組織風土改革をテーマにした本コラムも、今回で16回目を迎えることとなりました。
元々、組織や人に関わる領域は、コンサルティングに限らず、マネジメント領域においても難しい領域に位置付けられます。なぜなら、画一的に「これだ!」という手法がないからです。

■改めて「目指す組織風土改革」とは何か?
世の中を見てみると、企業の不祥事に限らず、行政の体質についてニュースが途絶えることはありません。これらに対して、「風土改革が必要だ!」と マスコミも社会も声高々に言います。言うだけなら簡単で誰でも言えます。大事なことはどう変えていくかということです。そして、どう変えていくかは、言わ れる側の組織が考えなければならないことですが、経営トップですらイメージできていない場合がほとんどで、具体的な施策となると"ノーアイデア"状態に陥 ります。
言う方(マスコミ、社会)も言われる方(企業、組織)も、組織風土改革そのものを求めているわけではありません。不祥事が二度と起きないように、社会や顧客により価値を提供するように、もっと社会に貢献するように...等、「これらを実現できる組織となるために風土改革が必要である」と言っているわけです。
つまり、本コラムで重要視している「改革のスピード」「業績に効果を出す」と他なりません。残念ながら、組織風土改革に対してスピードや業績は、これまでに真剣に問われず、期待されなかった領域です。組織風土改革は何年も時間がかかる。業績は以前と何にも変わらない......これでは意味がないと、私たちカレンコンサルティングは考えています。
冒頭に書きましたが、今回で16回目です。"3歩進んで2歩下がる"感がありますが、我々自身、何年もかけて作り上げてきたやり方を一言で皆さんに 伝えることは容易ではありません。文章だけではなく、図を用いながら、皆さんに「概念的な理論」 「方法論的な内容」 「具体的な事例」を伝えてきました。
今一度、頭の中に、「業績」 「スピード」の2つの言葉を置きながら、"業務"という皆さんのもっとも身近なキーワードで考えていきましょう。

■業務に起因する組織の悪循環
図1をご覧ください。右上の「業務が複雑化、肥大化すると...」がすごろくのようですが、スタート部分です。
【図1:業務に起因する組織の悪循環】
soshiki16_ph01.png この図は、これまでに我々がお手伝いした企業の多くが抜け出せずにいた悪循環を模式的に示したものです。驚くべきことに、業種、職種に関わらず、この図を見た多くの方は、「うちの会社のようだ」とうなずかれます。

続きはこちら ⇒ http://www.g-soumu.com/column/2012/12/soshiki16.php

2012年12月7日金曜日

【gihyo.jp】無関心な現場で始める業務改善(シーズン2) 「第5回:大好きな会社にしたい」


gihyo.jp

無関心な現場で始める業務改善【シーズン2】

第5回 大好きな会社にしたい(組織のソフト部分へ目を向ける)


中田社長に直訴した佐藤さんは,次の経営会議の場において,経営施策の中に「現場の改善活動」を盛り込むことを約束して くれましたが,同時に佐藤さんに対して,現場の実態を把握してくれないかと依頼されます。しかし,佐藤さんの仕事は開発部で設計業務が本業です。"事なか れ主義者"の杉本課長に,「会社を変えるために,コンサルティング会社を訪問します」と言ったところで却下されることは目に見えています。佐藤さんはしか たなく,有休を取得し,コラムを書いているコンサルティング会社C社(カレンコンサルティング)に連絡を入れて訪問しました。
《注》本記事は,第1回の「プロローグ」で示したように,筆者自身の原体験と当社の事例をベースにして,"脚色をした物語"と"方法論・手法"を織り交ぜながらお伝えします。したがって,GHテクノロジーズの会話を含む実場面と,筆者が解説する内容が交互に登場します。

いざコンサルティング会社へ

訪問の前日,佐藤さんは「あれも聞きたい,これも聞きたい」と自分なりに今の社内の現状と問題意識を整理していました。 こぢんまりとしたC社のオフィスにおいて,出迎えてくれたのは,40代のS氏と若いW女史の2人でした。一通り,佐藤さんの話を伺ってから,まず,S氏が 口を開きました。
  • S氏:「この絵(図1参照)を見てもらえますか? 当社がセミナーや講演の際に,参加された方に聞くのですが,佐藤さんはどのように感じますか?」
  • 図1 組織に見られる現象
    図1 組織に見られる現象
  • 佐藤さん:「たくさんチェックが付きそうで,どれも当社GHテクノロジーズを言われているようです。業務がブラックボックスかどうかはまだわかりませんが,現場がリストラに伴い,経営層への信頼感を失っていることが加わるかと……」

続きはこちらより ⇒ http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/kaizen2/0005

2012年11月27日火曜日

【EE Times Japan】いまどきエンジニアの育て方(第15回) 本日公開です


いまどきエンジニアの育て方(15)

市場のニーズを知れば、設計の意義が見えてくる


開 発の後工程が製造ならば、前工程はマーケティングや企画 に当たります。若手の育成というとどうしても技術に偏りがちですが、新人のころから市場や顧客を知る機会を与えるのはとても大切です。仕様書通りに設計す るだけよりも、市場の動きや顧客のニーズを知った上で設計した方が、若手にとっても面白くやりがいのある仕事になるはずです。



「いまどきエンジニアの育て方」連載一覧
 初めて設計したCPUボードがうまく動作せずに悩んでいた佐々木さん。声をかけてくれた田中課長があっという間に動作不良の原因を突き止める姿を 目の当たりにします。田中課長に「こうだろ?」と教わりながら、波形の変化を観測して原因を絞り込んでいくことも、佐々木さんにとっては初めての経験でし た。また、この原因を絞り込む過程において、佐々木さんは、開発部門だけでは製品ができないこと、後工程である製造部をはじめ、部門間の連携が大事であることを学びます。

さりげなく気付かせる

これまで長谷川リーダーから満足にOJT(On the Job Training)を受けたことがなく、「設計し、図面を書くことが開発の仕事」だと思っていた佐々木さんです。田中課長の経験と勘を生かした問題解決の アプローチと、部門の連携が大事だということは、佐々木さんにとって、とても新鮮に映りました。
 「入社して1年、誰も教えてくれなかったことを田中課長は自分に気付かせてくれた」――。この体験を通じて、佐々木さんの心の中に「課長のようなエンジニアになりたい」と、ぼんやりではあるものの“エンジニアの理想像”が見えてきたようです。
 佐々木さんには視野の広いエンジニアになってほしいと願う田中課長ですが、佐々木さん自身の気持ちの変化には、ほとんど気づいていない様子です。 技術のことを手取り足取り教えるよりも、実際の製品を教材にしながら、考える道筋や解決のロジック、開発部だけでは製品ができないことを示す――。田中課 長は無意識のうちに行っていましたが、この“さり気なく気付かせること”が、本人(佐々木さん)にとっては最も効果的なのです。

マーケティング部門の製品コンセプト会議に若手を!

場面は変わり、田中課長はマーケティング部の松田課長と、この一件(田中課長自らが手を動かし、後工程の大切さを伝えたこと)について話をしています。
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ほう、佐々木さんにそんなことがあったんですね!

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つい、自分もあれこれ口を挟んでしまったよ。エンジニアのさがかなあ。

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佐々木さんにとってはいい勉強になったのではないでしょうか?

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だといいんだが……。1つ相談だけど、今度は前工程に関わる仕事を彼に伝えたいんだよ。

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と言いますと?

つづきはこちらから ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1211/27/news005.html

【月刊総務オンライン】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方 第15回 本日公開

月刊総務オンライン

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第15回:見える化と言える化、本社・間接部門のQCD


今回は、ハード改革を業務プロセスの観点から「見える化」と、ソフト改革を組織風土の観点で「言える化」。

この「見える化」と「言える化」から、業績、特に現場レベルで実行できる「QCD(Quality, Cost, Delivery)の改善」へと結びつけてお伝えします。
第14回にて、業績に効果が出るまでに相当の時間を必要とする組織風土改革をスピーディに進めていくためには、ハード改革の領域に入らざるを得ないというお話をしました。
ところが、ハード改革の色を強く出し過ぎると"やらされ感"が発生するので、この「微妙なさじ加減」を行いながら、組織風土改革を進めていくことになります。
業績と組織風土を結びつけるロジックとしては、ハード改革の切り口を「業務プロセス」で行うことがもっとも望ましいと、第12回第13回で2回にわたってお伝えしている通りです。

■「ハード改革と見える化」、「ソフト改革と言える化」
これまでに、2回、ハード改革とソフト改革の絵が登場しましたが、皆さん、覚えていらっしゃいますか? 第2回の図2第13回の図3になります。
これらの図に、「見える化」と「言える化」を対比させて示したものが図1になります。

【図1:「ハード改革・ソフト改革」と「見える化・言える化」】

soshiki15_ph01.png 本コラム:『業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方』で目指すところは、右上の領域になります。
従来、組織風土改革は右下の自発性を重視するあまり時間がかかる、意識改革と風土改革を混同して、「意識改革が重要だ!」となってしまう。こういう懸念があったわけです。業績への直接的な効果が期待できないことも特徴です。個人の意識改革と、組織の風土改革の違いについては、第2回の図1を参考にしてください。
一方で、ハード改革は左上の領域であり、業績への効果は期待できますが、冒頭述べたように"やらされ感"という弊害が、組織風土を悪くするという悪循環の要因となります。
では、この「見える化」と「言える化」を、問題解決の視点で考えてみましょう。

続きはこちらから ⇒ http://www.g-soumu.com/column/2012/11/soshiki15.php

【ITMedia】いまどきエンジニアの育て方(14):「図面を書いて終わり」では成長できない ~


いまどきエンジニアの育て方(14):「図面を書いて終わり」では成長できない ~製造部門の視点を持たせる~

図面を書くこと、仕様書を出すこと――。開発部門の仕事は これだけでは終わりません。自分の意図通りにモノを作ってもらうには、“いかに作りやすい設計図を書くのか”ということが重要になってきます。そのために は、開発の後工程である製造部門や、さらにその先のエンドユーザーを、若手エンジニアに常に意識させる必要があります。


「いまどきエンジニアの育て方」連載一覧
 前回、「スーパーエンジニアになるための6カ条」を松田課長から教わった田中課長。早速、若手の佐々木さんに対して、「技術以外の関心を持たせる作戦」に出ようとしています。田中課長は、「経営はもっと先として、前工程の企画側か、後工程の製造側か、どちらから学ばせるのがいいかな」と考え中です。
 さて、面倒見があまりよくない先輩社員の長谷川さんの 下でOJT(On the Job Training)を受けてきた佐々木さん。いつも自信がなく、不安でいっぱいだった佐々木さんが設計した、次期新製品であるネットワーク機器の試作機が 出来上がってきました。試作したボードを見た途端、これまでの不安そうな様子がうそのように、うれしそうな表情をした佐々木さんです。

設計通りに動かない!

mm121105_imadoki14_fig01.jpg 図1 ボードの評価作業のイメージ(関連記事:進化する組み込み向け計測技術)
佐々木さんは、この製品のCPUボードと周辺インタフェース部分をメインに担当しています。高い周波数で動作するので、田中課長からは「自分でも勉強して、設計と実装には注意するように」と言われてきました。
 佐々木さんは、これまで長谷川さんの下で、ある意味、下っ端要員としてボードの調整やデータ取りなどを行ってきたので、試作ボードの動作確認や調整方法などは身に付いています。
 まず、ボードがショートしていないことを確認した上で、おもむろに電源を入れました。次に、ロジックアナライザやFPGA開発ツールなどを持ち出して、ボードに接続します。
 基本動作の確認に3時間ほどかかりましたが、どうも納得がいかないらしく、浮かない顔をして首をかしげている佐々木さん。
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何で設計通りに動かないんだろう……?

ベテランエンジニア田中課長の視点

あれこれ悩んでいる様子の佐々木さんを見て、田中課長が声をかけます。近くに、長谷川リーダーの姿は見えません。
続きはこちらから ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1211/05/news014.html

【gihyo.jp連載】無関心な現場で始める業務改善(シーズン2)「第4回 見えた光明」

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無関心な現場で始める業務改善【シーズン2】

第4回 見えた光明

2012年11月5日

これまでのあらすじ

「GHテクノロジーズリバイバルプラン」と銘打った経営施策は,800名いた社員のうち,300名が早期退職で会社を去 るという事態を皮切りに,もっと経営改革が進むものと佐藤さんは考えていました。ところが,海外のEMS工場における品質不良の問題は名ばかりの対策会議 で今もまだ棚上げ状態,不良在庫は増えるばかりです。社内のあちこちで経営批判をする社員が後を絶ちません。経営だけの責任ではなく,自分たちにも責任の 一端はあったはずだと考えている佐藤さんは,会社を立て直すと決めたものの,手探り状態です。
佐藤さんはじっとしてはおられずに,各部門の部長に声をかけますが,期待できない返事ばかりで,協力関係を得ることがで きません。直属の上司である杉本課長も事なかれ主義者で当てにならない1人です。実態として,早期退職以外に何ら経営改革が進んでいるように思えないう え,現場からは危機感が感じられず,佐藤さんも苛立ちを感じています。
先日,大学の先輩であるマーケティング部の坂本課長と話をして,社長が明確に改革の方針やビジョンを語っていないことが 問題だということに気づきます。開発部の一主任の立場では部長を動かすことはできないと悟った佐藤さんは,きちんと改革を進めるべく,直接,社長に話をす ることを決意します。

社長への直訴

GHテクノロジーズの中田社長は,佐藤さんが入社したときは開発部の部長だったこともあり(第1回),知らない仲ではありません。そうは言っても本来,社長と話をするためには,総務部の秘書課などを通じてアポを入れておくのが筋です。また,開発部の上司である課長の杉本,部長の村瀬の頭を飛び越えた話も立場上,まずいことには,頭が回りませんでした。
普段はなかなか出向くことのないビルの最上階に向かいます。“社長室”と書いてあるドアの前に立ち,一呼吸おいて佐藤さんはノックをします。聞き慣れた「はい,どうぞ」という中田社長の声を聞き,少し緊張しながら社長室に入りました。
  • 佐藤さん:「開発部の佐藤です。突然すいません,少しお時間をいただけますか?」
続きはこちらから ⇒ http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/kaizen2/0004

【月刊総務オンライン】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方 第14回

月刊総務オンライン

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第14回:業務プロセスと改革のアプローチ

企業の業績に対し、素早くプラスの効果を与えたい組織風土改革ですが、長い年月をかけて醸成された組織風土を変えるためには相当な時間を必要とします。
組織風土改革をスピーディに進めていくためには、ハード改革の領域に入らざるを得ません。しかし、ハードの色を強く出し過ぎると"やらされ感"が発生するので、この「微妙なさじ加減」が変革の腕の見せ所でもあります。
今回は、業務プロセスとセクショナリズムの関係を見ながら、改革のアプローチの違いを考えていきましょう。

■業務プロセスとセクショナリズム
読者の皆さんの会社に、「うちの会社にはセクショナリズムなど存在しない」と言い切れる人はいますか?
「全くゼロではないけど、少なからず存在する」 、「あそこの部門とのやり取りは憂鬱」。多かれ少なかれ、このように感じることがあるのではないでしょうか。
図1をご覧ください。
簡単な絵ですが、"ビジネス側のA事業部"と、"本社経理部門"とのやり取りを示したものです。

【図1:業務プロセスとセクショナリズム】

soshiki14_ph01.png 例えば月末を迎え、翌月月初の請求業務を行うために、本社経理部門がビジネス側の管理部門に対して、「〆作業はまだ終わりませんか?」と電話で督促をしています。
後工程の本社経理部門の立場からすると、前工程のビジネス側の業務が完了しないと、本社の業務は負えることができず、全社の数字も確定できません。経営会 議の資料にも使われるので、本社経理部門の担当者も気が気ではありません。しかし、事業部の管理部門も忙しいことを知っているので、そう強くも言えませ ん。

続きはこちらから ⇒ http://www.g-soumu.com/column/2012/11/soshiki14.php

2012年10月31日水曜日

【増刷が決まりました】「上流モデリングによる業務改善手法入門」 (技術評論社)

株式会社カレンコンサルティング
株式会社カレンコンサルティング企業情報

出版物

上流モデリングによる業務改善手法入門 付箋からはじめる業務モデリング
『上流モデリングによる業務改善手法入門』
著者:世古 雅人/渡邊清香
発行:技術評論社 2010年11月23日
価格:2,604円(税込)
 
アマゾン 「上流モデリングによる業務改善手法入門」
皆さんは自分の業務をどれくらい理解していますか?
多くの場合は、教えてもらったもの、経験で覚えたもの、知らずに身についたものなど、自分の頭の中にしか入っていないのではないでしょうか。自分しかでき ない業務は職人芸と言えば聞こえはいいですが、誰かと分担したり、引き継いだりということはしにくいものです。こうした属人的な業務が増えていくと会社の 小回りがきかなくなっていきます。
環境の変化が激しい昨今、臨機応変に業務を組み替えてビジネスのスピードを高める時代になっています。ここで一度立ち止まって、自分の業務、会社の業務を整理し改善してみませんか? 
 【目次】
第1部 業務モデリング編
 第1章 業務フローの書き方
 第2章 業務モデリングの準備
 第3章 業務モデリング
 第4章 UMLによる業務フローの記述

第2部 業務フロー活用編
 第5章 業務フローを活用するための準備
 第6章 問題発見・整理と問題解決
 第7章 業務フローを用いた問題への取り組み
 第8章 問題の顕在化と組織風土・体質
 第9章 現場で書く業務フロー

続きはこちら ⇒ http://www.carren.co.jp/company/pub.html

2012年10月23日火曜日

【gihyo.jp】無関心な現場で始める業務改善(シーズン2) 「第3回 得られぬ協力関係」公開


gihyo.jp

無関心な現場で始める業務改善【シーズン2】

第3回 得られぬ協力関係

2012年10月23日
一時期は,経営者や会社を恨んだ佐藤さんですが,我々現場にも責任の一端はあったのではないかと考え始めています。管理職でもない主任の佐藤さんの 立場でできることも,たかが知れています。しかし,「会社を良くしていこう」という志を持った社員はいるはずと信じ,まずはできることから始めようと,い よいよ活動を始めます。

へらへら笑っている場合か!

佐藤さんは,早期退職で社員が激減した社内を見渡して,「こんなに広かったっけ?」と天井を見上げながらため息ばかり漏らします。残った我々が経営 者と一丸となって会社を立て直していかなければならないはずなのに,社内にはさほど緊迫した空気が流れているようには感じられません。
自分たちの開発部は全体的には暗い雰囲気ではあるものの,全社を見渡すと何事もなかったかのように時間だけが流れていくことに,佐藤さんは違和感を 覚えます。開発部の杉本課長は,海外出張の件で「お土産は何がいい?」とのんきに庶務の女の子と話をしています。もっとも人員が削減された製造部に出向く と,喫煙室から出てきた社員からは,「俺達,会社に残れてよかったよなぁ。組立配線にいたAさん,年も年だし,再就職でかなり苦労しているらしいぞ!」 「そりゃそうさ……,定年までそつなくやることが一番だよな」……という会話が聞こえてきます。
たまたま,先ほどの製造部の年輩社員が口にしたAさんの名前が佐藤さんの耳に入り,新人だったころを思い出していました。製造部のAさんは,「回路 図は2次元だけど,製造部の俺たちは,この配線を引き回すのだから,頭の中では3次元で考えないとダメだぞ」と言うことが口癖で,怒られもしましたが親父 のように佐藤さんをかわいがってくれた人でした。そのAさんが早期退職で会社を去り,今は再就職で苦労をしている。それなのに,残ったこのオジサン連中 は,自分の身のことばかり気にしている。
「定年までそつなく……?なぜ優秀な組立工だったAさんが辞めなければいけなかったんだ。お前らが辞めればよかったんだ。ふざけるな!」。佐藤さんは口には出さないものの,聞こえきてしまった会話に悔しさを堪えています。
製造部に限らず,他の部門も似たような状況でした。これから会社を立て直すというムードからは程遠いものでした。

事なかれ主義者たち

庶務の女の子との土産話が終わったのでしょうか…。杉本課長から,佐藤さんは呼ばれます。杉本課長は,先週の品質対策会議(第1回参照)の場において,「立場をわきまえてくれないと僕が困るよ」と発言をした上司です。“長いものに巻かれる”“自分が損をすることはやらない”という「事なかれ主義者」です。
  • 杉本開発課長:「佐藤さんさぁ,こないだの品質対策会議のことで話があるんだけど,ちょっといいかな?」
  • 佐藤さん:(なんだよ今さら……と思いながら)「何でしょうか?」
  • 杉本開発課長:「君が怒って会議の途中で出てしまうものだから,後が大変だったんだぞ。部長たちに頭を下げる俺の身にもなってくれよ」
  • 佐藤さん:(怒……<(`^´)>)「それも課長の仕事じゃないですか?(いつもペコペコしているくせに……)」
  • 杉本開発課長:「何を言っているんだ,君は!」
  • 佐藤さん:「課長はあの会議に出ていて何も思わないんですか?対策会議って名ばかりで,のんきなもんですね」
杉本課長の「おい,ちょっと待て!」という声を背中に,佐藤さんは実験室に向かってしまいました。

続きはこちらより ⇒ http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/kaizen2/0003/

2012年10月22日月曜日

【月刊総務オンライン】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方(第13回)公開

月刊総務オンライン

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第13回:ハード改革とソフト改革

今回より、バリューチェーン(価値連鎖)と業務連鎖の切り口から、「ハード改革」の序章に入っていきます。
組織風土改革そのものは「ソフト改革」です。社員の自主性を重視し、部門内や部門間のセクショナリズムの壁を取り払っていくものです。ただし、それだけでは業績にプラス効果が表れるまでに、相当の時間を必要とします。
先が読めない現代において、「3年後に組織風土が良くなれば、きっと業績に良い結果が出てくる...(かもしれない)」という説明で納得をする経営者はいません。第12回でお伝えしたように、経営者は効果を求めてやまないからです。
今回の内容は少し理屈っぽくなりますが、原理原則をしっかり学んでおくことで、これまでにない「新しい短期間で業績が上がる組織風土改革」の具体的イメージが沸いてくれば幸いです。

■価値連鎖と業務連鎖
図1をご覧ください。マイケル・ポーター(M.E.Porter)の「バリュー・チェーン(価値連鎖)」と呼ばれる有名な図なので、皆さんも一度は目にしたことがあるかもしれません。


【図1:価値連鎖と業務連鎖】

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「バリュー・チェーン」は、「主活動」と「支援活動」に分類されます。「主活動」は"購買物流" "製造" "出荷物流" "マーケティング・販売" "サービス"からなり、「支援活動」は"企業インフラ" "人材資源管理" "技術開発" "調達"から構成されます。例えば製造業であれば、購買した原材料等に対し、各プロセスにおいて価値(バリュー)を付加し、市場や顧客に販売することが企 業の主活動です。各プロセスはお互いに連鎖する関係にあり、企業はこのバリュー・チェーンの活動をつうじて、市場や顧客に製品やサービスを提供し、マージン(利益)を生みます。
次に下側の図をご覧ください。バリュー・チェーンを企業組織図に当てはめた一例です。
仕事は、前工程や後工程の部門と常にやり取りをしながら進みます。同時に、バリュー・チェーンでは「支援活動」に該当する組織である本社や管理部門、情報システム部門とのやり取りも発生します。この一連の部門をまたがった業務の流れを「業務連鎖」と呼びます。このやり取りには、「コミュニケーション」と「部門間の協力関係」が必要となります。
効率的に仕事を行うために、部門ごとの役割分担を行いますが(分業)、その一方で、"縦割り"が強すぎると「セクショナリズム」の発生する可能性が高くな ります。「セクショナリズム」が発生してしまうとコミュニケーションが取れなくなり、協力関係を築くことが困難になってしまいます。

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2012年10月17日水曜日

【EE Times Japan 連載】いまどきエンジニアの育て方(第13回) 更新


いまどきエンジニアの育て方(13)

“スーパーエンジニア”育成、そのヒント 

エンジニアにとって、自分の専門性を高めるための勉強は欠かせません。ですが、エンジニアとしてもっと上を目指すのであれば、専門以外の知見を広げることが非常に重要になります。

一人前のエンジニアになるには、より専門性を高めるための勉強が欠かせません。一方で、製品のコンセプトメイキングは良い「若手育成の場」になることも学びました。これをきっかけに、田中課長は佐々木さんに対して、技術以外にも関心を持たせた方が、中長期的な視点で見れば成長するのではないかと考え始めています。いまどきエンジニアは、自分の成長につながることが分かると頑張る傾向があります。  一般的には、技術をもっと身に付けてから、それこそ一人前になってから、「技術以外のこと、例えばマネジメントやマーケティングなどを学んだ方がよい」と言われますが、はたしてどうでしょうか?

マネジメントが分かる管理職が、開発部門にいない?

川崎テックデザインに入社して22年になる田中課長は、入社以来ずっと開発部門で、大きな人事異動を経験したことがありません。課長になるまで、 特にマーケティングや経営を体系的に学んだこともありませんでした。課長になってから、必要に迫られて少しばかりマーケティングらしきものをかじった他、 人事部から幹部職研修として、マネジメントや組織について数回の研修を受けたくらいです。
 田中課長は1人であれこれと考えていました。
田中
機能しない当社のOJT(On the Job Training)の原因として、技術が分かる人事部がいないこともあるが、逆に、マネジメントや組織・人のことが分かる開発部門の管理職がいないことも問題ではないだろうか。そういえば、大手メーカーに勤めている大学同期は、管理職登用試験に向けて、研修を受けただけでなく通信講座でマネジメントを学んでいたなぁ……。他の会社はどうなんだろう? うちの会社は何もないぞ。マーケティング部の松田課長に聞いてみよう。

“スーパーエンジニア”を育てる!


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【gihyo.jp】無関心な現場で始める業務改善(シーズン2) 第2回 「組織の不良体質…」更新


gihyo.jp

無関心な現場で始める業務改善【シーズン2】

第2回 組織の不良体質……経営責任だけではない 

2012年10月12日
半年前の「テクノロジーズリバイバルプラン」にある早期退職により,300名もの社員が退職したのが先月末付です。仲間や先輩社員がいなくなってからちょうど1ヵ月……職場には活気がありません。
誰よりも自社の製品,自分の会社に誇りを持っている佐藤さんは,各部門の部長たちが集まった品質対策会議の場において, 責任転嫁で誰も本気でない様子にがっかりすると同時に,行き場のない怒りのあまり,会議の途中でぶちまけてその場を飛び出します。出る杭が打たれる組織の 中で,損か得かで物事を判断し,積極的に問題解決に臨もうとしない部長たちを見て,佐藤さんは,「自ら出る杭になろう」になろうと誓います。

組織の不良体質

人間誰しも「正しいかどうか」ではなく「損か得か」で物事を判断してしまうことはあるものです。しかし一方で,損をするとわかってはいても自分の正しいと信ずることをやろうと努力するのも人間です。多くの人は自分の中で,損か得かのバランスを測りながら,組織の中ではそこそこ折り合いをつけながら毎日を過ごしているのではないでしょうか。
組織の中にいる人間が重要な意思決定をする時に,それが正しいかどうかではなく,自分の立場にとって損か得かで判断することが染み付いていると,組織は不健全なもの(不良体質)となります。
GHテクノロジーズの組織は不良体質なのか見ていきましょう。

始まった大リストラ

創業以来30年,順調に業績を伸ばしてきたGHテクノロジーズが,海外企業の追い上げや製品不良があったにせよ,まさか 人員削減にまで踏み切るとは,誰しもが予期していませんでした。1年ほど前から定時退社の促進など残業規制は厳しくはなったものの,賃金カットまで踏み込 んでいませんでした。社員は皆,テレビや新聞で流れる人員削減のニュースを聞いても自社には関係ない出来事だと信じて疑わなかったのです。

続きはこちらから ⇒ http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/kaizen2/0002

2012年10月4日木曜日

【月刊総務オンライン連載】業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方(第12回)

月刊総務オンライン

コラム

総務 / 組織・風土醸成 / 組織・風土醸成

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第12回:組織風土と業績を結びつけるロジック

いよいよ今回より、本コラムテーマである"業績"に関わる「業務」「成果」「効率」「生産性」「経営」などの言葉が登場します。
少しおさらいをします。これまで何回かにわたり、"ソフト領域"であるコミュニケーションについてお話しました。
しかし、コミュニケーションを良くすることだけが風土改革の目的ではありません。あらためて、何のために風土改革を行うのかということです。気持ちよく仕事ができる職場や人間関係は大切なことですが、会社を仲良しクラブにすることが目的ではないですよね?

■風土改革に「ハード改革」は欠かせない時代
第1回でお伝えしたように、「風土改革のおかげで職場のコミュニケーションが良くなりました。
しかし、会社の業績は回復せず、やむなく希望退職を実施することになりました」では意味がありません。
先行き不透明で環境が激変しやすいこの時代に、風土改革にも「スピード」が求められる理由です。従来型の組織風土改革や個人の意識改革などではもはや太刀打ちできません。第2回の図2で示したように、このハード改革とソフト改革を同時に進めていくことが重要です。詳しくはこちら「変革DNA醸成」をご覧ください。

■ES(従業員満足度)を上げてもCS(顧客満足度)は上がらない?
まず、組織風土と業績について触れる前に、顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)と従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)について考えてみましょう。
CSと業績(収益、利益の向上等)の相互関係が深いことは言うまでもありません。このCSとESの関係性をわかりやすく示したものを図1に示します。

【図1:ESとCS】

soshiki12_ph01.jpg 「CSとESは車の両輪」とも言われるように、特にこの図について説明は不要だと思われますが、スピード重視で短期的な業績向上・回復を狙う場合は、ESの優先度は下がり「業績アプローチ」に重点が置かれます。
ここで考えていただきたいことは、「ESが向上すると本当にCSが向上し、業績も上がるのか?」ということです。

続きはこちら ⇒ http://www.g-soumu.com/column/2012/10/soshiki12.php

【IT Media EE Times Japan】いまどきエンジニアの育て方(第12回)公開

いまどきエンジニアの育て方(12)

コンセプトメイキングを若手育成の場に、“魂が宿るモノづくり”を目指す

開発プロセス。そこには“設計”だけが含まれるのでしょう か。製品のコンセプトを練る段階も開発プロセスの一部と考え、新人や若手をコンセプトメイキングに積極的に参加させている企業があります。こうすること で、“エンドユーザーを意識したモノづくり”ができるエンジニアを育て上げているのです。

[世古雅人,カレンコンサルティング]

「いまどきエンジニアの育て方」連載一覧
 今回は、設計開発だけを行うことがエンジニアの成長のためになるのかという観点から、若手エンジニアを、開発プロジェクトのどのタイミングから関与させていくかについて考えてみましょう。

製品の全体像が見えているか?

これまでに何度か製品の複雑化/高機能化の話をしてきました(第4回第7回)。また、製品の複雑化などに伴い、開発部門のエンジニア一人ひとりの役割分担が細分化されていることにも触れました(図1)。
mm121002_imadoki_fig01.jpg 図1 複雑化・高機能化する製品と開発担当者の細分化(クリックして拡大)
 
ハードウェアの部分に着目してみてみましょう。細分化の単位は、ボード単位、アナログ/デジタルなどさまざまです。デジタルにおいては、CPUや 周辺回路の設計と、ASICの設計を別のエンジニアが担当する場合もあります。アナログにおいても、アンプ系の設計と電源の設計とでは、要求される知識や 経験が異なります。また、最近の電源はデジタル化も進んでいます。同一ボードの中でも、アナログ部分とデジタル部分で担当者が分かれる場合すらあります。

続きはこちら ⇒ http://eetimes.jp/ee/articles/1210/02/news003.html

2012年9月27日木曜日

【技術評論社:gihyo.jp 新連載】無関心な現場で始める業務改善(シーズン2) 連載開始


gihyo.jp

無関心な現場で始める業務改善【シーズン2】

第1回 誰も出る杭になりたがらない

プロローグ

本連載は,2011年6月13日から2012年5月25日まで,全23回にわたり連載した『無関心な現場で行う業務改善』の続編です。
前シリーズでは,自分のことだけに一生懸命で改善活動には無関心な社員,現場に丸投げな経営層…,このような現場で業務改善を進め,自発的な改善を生むためのヒントをコンサルティング会社の視点でお伝えしました。続編となる"シーズン2"では,企業内の変革推進者の視点でお伝えします。
筆者は,業務プロセスの構築,標準化に軸足を置いた,企業変革のお手伝いをするコンサルティング会社を経営しています。本連載は,参考書籍となる『上流モデリングによる業務改善手法』には書かれていない,本邦初公開の泥臭い内容です。筆者自身の原体験と当社の過去の事例をベースにして,"脚色をした物語"と"方法論・手法"を織り交ぜながらお伝えします。
皆さんも,ぜひ,主人公になったつもりでご覧いただき,日々の業務と照らし合わせながら,一緒に考えていただければ幸いです。

あらすじ

株式会社GHテクノロジーズは,今年で創業30周年を迎える中堅電子機器メーカです。パソコン用のグラフィックボードからスタートした同社は,パソコン周辺機器やネットワーク製品へ,最近ではスマートフォンの周辺機器にも進出をしています。
しかし,これといったエッジの効いた製品がなく,近年はアジア諸国の低価格製品に押され,経営的に厳しい状況が続いています。
続きはこちらより ⇒ http://gihyo.jp/lifestyle/serial/01/kaizen2/0001

2012年9月25日火曜日

【月刊総務オンライン連載】「業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方」 第11回 公開

月刊総務オンラインコラム

業績に効果が出る新しい組織風土改革の進め方
第11回:インフォーマルな場とネットワーク

皆さん、こんにちは。
月刊総務オンラインのサーバートラブルのため、第10回の6月14日以降、更新が止まった状態でしたので、3か月ぶりになります。
今回のデータ消失は、5,700件弱の顧客に被害を与え、クラウド全盛時代の"影"の部分を見た感がありますね。
ちょうど3回にわたり、コミュニケーション、対話についてお話をしてきました。
少し、忘れちゃったかなという方は、過去の記事をご覧ください。
今回は「対話を生む場」として、「インフォーマルな場とネットワーク」について考えていきましょう。
■喫煙室は情報の宝庫!?
皆さんの会社の中には喫煙室はありますか? 
この何年かで喫煙者は肩身が狭い思いをしているでしょうが、喫煙室や社内のカフェ(昔だったら給湯室ですね)は、部門・役職・年齢・性別を問わず人が集まれる場所です。たわいのない会話に始まり、たわいのない会話で終わることもあります。 その一方で、他部門の情報(新製品発表,人事異動,組織変更,トラブル解決など)の話を耳にはさんだり、意外に有用な情報が行き交っています。自部門の中だけでは決して得ることのできない情報です。皆さんも社内のオフィシャルな報告がある前に、何気なく、このような情報が耳に入って知ってしまったということはありませんか?
これら喫煙室や社内カフェは小さなコミュニティで、「自然発生的に対話を生んでいる場」と見なすこともできます。本来の目的は喫煙室であればタバコ を吸うため、カフェであればコーヒーを飲むためです。対話を生むために設置されたものでないことは明白ですよね。では、なぜ、このように対話が生まれるの でしょうか?
■フォーマルな場とインフォーマルな場
第9回の図2には「双方向コミュニケーション」と「上意下達型コミュニケーション」の違いを組織特性(自律分散型、階層型)と対比させています。この図をさらに、"場"と対比すると図1のようになります。
図1."コミュニケーションの種類"と"場"の対比
soshiki11_ph01.jpg 図1の右側に、「フォーマル」「インフォーマル」と示していますが、その違いは以下の通りです。
●フォーマルな場=結論を出す
●インフォーマルな場=結論を出さない

フォーマルな場」は、代表的なものが会議です。「真面目に真面目な話をする」ところです。議題もアウトプットも決まっていて、"報告する場"であり"決める場"です。コミュニケーションのスタイルは一方通行です。
続きはこちらより ⇒ http://www.g-soumu.com/column/2012/09/soshiki11.php

無料相談会開始のお知らせ

Free Consultation  無料相談会 はじめに コンサルティング会社に相談と言っても、「何だか敷居が高いな…」と感じてしまう人もいるかもしれません。 当社のWebサイトは小難しいことが長々と書いてありますよね。図や文字も多く、見るだけで疲れてし...